シャーシ1台でHCIシステムを自己完結する業界初のエッジ向けアプライアンス「VxRail VD-4000」が仲間入り

デル・テクノロジーズ株式会社 ストレージプラットフォームソリューションズ アドバイザリーシステムズエンジニア 市川 基夫氏
デル・テクノロジーズ株式会社
ストレージプラットフォームソリューションズ
アドバイザリーシステムズエンジニア
市川 基夫氏

デル・テクノロジーズとVMwareが共同で設計・開発した“唯一”のHCI(Hyper Converged Infrastructure)システム「VxRail」。VxRailは共同設計・開発ならではの数々のサービス提供が可能となっており、デジタル活用の高度化にあわせて利用シーンも拡大し続けている。そうしたニーズの中で代表的なものがエッジだ。この世界的なエッジ需要の高まりを受けてデル・テクノロジーズは、新たなVxRailシリーズとしてエッジ用途に最適化された「VxRail VD-4000」を2023年3月にリリース。VxRail VD-4000の機能や優位性などについて、デル・テクノロジーズ株式会社 ストレージプラットフォームソリューションズ アドバイザリーシステムズエンジニアの市川基夫氏が解説する。

靴箱サイズのシャーシに2台のコンピューティングサーバーと
vSAN witnessを組み込める自己完結型HCI製品

 デル・テクノロジーズとVMwareが共同設計・開発するHCIアプライアンスのDell VxRail(以下、VxRail)は、2016年のリリース以来、世界中の企業で導入が進んでおり、製品自体も進化を続けている。

 「VxRailは、HCIを起点としつつも、お客様のニーズに応えるべく既存のHCIの枠にとらわれず進化を遂げています。マルチクラウドやクラウドネイティブな環境へと移行する中で、コンテナベースのアプリとの連携といった用途にも最適であるとの評価をいただいておりますし、各ベンダーとのパートナーシップでより用途が広がっています」(市川氏)

 そうした中、エッジ向けの自己完結型HCIアプライアンスとしてリリースされたのが「VxRail VD-4000」(以下、VD-4000)である。

 VD-4000には、標準幅の「2Uラックマウントシャーシ」と、奥行約36cm、幅約27cmの“靴箱サイズ”の新型シャーシ「2Uフレックスシャーシ」の2種類のシャーシがあり、複数の1Uおよび2Uノードスレッドを搭載できる柔軟なオプションが用意されている。VESAマウント規格に対応しているため、従来のようにラックに積み重ねるだけでなく、床面積の少ない場所では壁面に設置することも可能となっている。

 大きな特長は、コンパクトな1台のシャーシに、2台のコンピューティングサーバー(VMware vSANの2ノードクラスター構成)と、クラスターの死活監視のための監視サーバー(vSAN Witnessサーバー)を組み込むことが可能となっていることだ。この2台のコンピューティングサーバーによるクラスター冗長化により、万一の障害発生時も継続して稼働する。

 「デル・テクノロジーズでは、『セキュリティ』『マルチクラウド』とあわせて『エッジ」を3大ビジネスフォーカスエリアとして定め投資を行っています。そこで、エッジ用途に求められるコンパクトさや展開性、独立性などをさらに追求したのがVD-4000なのです」(市川氏)

小売業、製造業、リモートオフィスなど複数拠点をもつ業界に打ってつけの自己完結型HCIアプライアンスだ
小売業、製造業、リモートオフィスなど複数拠点をもつ業界に打ってつけの自己完結型HCIアプライアンスだ

製造業・小売業ならではの環境面の制約が課題に

 昨今では、遠隔地に拠点を持つ組織をはじめ、大量のデータをローカルで処理して意思決定をリアルタイムに行うことが、ビジネスを競争優位に導くためにも非常に重要となっている。ある調査によると、実に75%の企業生成データはデータセンター外部で作成および処理されており、エッジロケーションで最初に保存されAI分析されるマシンとデバイスのデータは55%にも及んでいる。また、今後もエッジでの生成データやアプリ数が爆発的に増加すると予想されている。

 ただし、エッジにあるIT環境で価値を創造するためにはいくつかの課題があるのも事実だ。まずは、環境面の制約である。店舗や工場、建設現場、小規模拠点など、必ずしも筐体がデータセンターに置かれるわけではないため、設置面積だけではなく温度や振動、塵埃などの制約を受けることとなる。

 また、遠距離サイトのサポートも大きな問題であり、リモート環境にあるIT機器をいかにして管理するかの考慮が必要だ。さらには、データや資産のセキュリティ面の課題だけでなく、ソリューションごとにテクノロジーがサイロ化しまうことで、運用面負荷の増大も招きかねない。

エッジで処理されるデータは今後も増え続けていくことが予想される
エッジで処理されるデータは今後も増え続けていくことが予想される

あらゆるロケーションに対応する高い耐久性

 VD-4000は、エッジ・コンピューティングにまつわる課題の解決に大いに貢献する。高耐久性のノードとして新たにラインアップされたVD-4000であれば、人的リソースが配置できないような環境であっても、ヘルスモニタリング、LCM(ライフサイクルマネジメント)の自動化によるローカルリソースに依存しない一元的な運用を可能にする。また、すべてのエッジ・デプロイメントで共通のプラットフォームを採用し標準化が図られているため、サイロ化の改善と業務効率の向上に寄与するのである。

 「VD-4000の動作温度は-5℃から+55℃であり、耐衝撃性と耐振動性はNEBS(Network Equipment-Building System)およびMIL-STD(米軍MIL規格)認定を取得しています。そのため、工場や建設現場といった過酷な環境であっても安定した稼働が期待できます」(市川氏)

 VD-4000のラインアップのうち「2Uフレックスシャーシ」は、1Uノードスレッドx2とvSAN witnessノード、または2Uノードスレッドをサポートする。このため2ノードクラスターがコンパクトな2Uのサーバーサイズで完結できるのである。

小型を実現する秘密は「vSAN witness」にあり

 ここまでコンパクトにできる最大の理由は、組み込み型のvSAN witness(監視)にある。VD-4000は、vSAN witnessノードを組み込んだ“業界初”のvSAN HCIシステムであるため、データの一貫性を確保するための監視ノードを個別に立てる必要がない。

 「単にコンパクトに構成できるだけなく、VxRail HCIシステムソフトウェアがvSAN witnessノードも含めたライフサイクル管理を提供するため、システム全体を簡単かつ安全にアップグレードでき、常にコンポーネント間の互換性が保証された状態での運用が可能となります。」(市川氏)

従来のようにvCenterおよびWitness外部に配置する必要がなくなり、管理もシンプルに
従来のようにvCenterおよびWitness外部に配置する必要がなくなり、管理もシンプルに

 こうした数々の特長を有するVD-4000であれば、以前であれば低遅延や低帯域幅などの制約から設置ができなかったエッジ環境にもHCIシステムを展開することが可能となる。

 「vCenterも組み込まれた完全自己完結型ソリューションであるため、低レイテンシーや低帯域幅といったネットワーク制約のあるファーエッジのデプロイメントを可能にします」(市川氏)

2ノードクラスターやサテライトノードなど柔軟な展開オプションを構成できるのも魅力
2ノードクラスターやサテライトノードなど柔軟な展開オプションを構成できるのも魅力

 エッジ需要が拡大を見据え、今後もデル・テクノロジーズではVxRailのエッジソリューションの拡充にも継続的に取り組む方針だ。

 「リリースしたばかりのVD-4000ですが、国内のお客様からのお問い合わせも増えている状態ですので、さまざまな声に耳を傾けながらさらなる製品とサービスの充実を図っていきます」(市川氏)

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