スーパーコンピューティングへの旅のまとめ

スーパーコンピューティングのイベント「SC08」は熱気にあふれていた。分散処理やメニーコアに対応したプログラミングなど、これからのコンピューティングを示すヒントがそこにあった。

文:Gordon Haff(Special to CNET News.com)
翻訳校正:川村インターナショナル  2008年12月10日 08時00分

パラレルプログラミングは依然として課題

 コンピューティングのあらゆる分野の教祖的存在であるDavid Patterson氏でさえ、自身の基調講演をこの話題にしたほどだ。Patterson氏のセッションのほか、RapidMindPervasive Softwareといった各社の状況を元にして考えると、われわれは今、メニーコアで構成されるプロセッサに対応した開発方法や連動する複数システムに対応した開発方法が確立されつつあるかもしれない過程を、目にし始めている可能性がある。問題は、パラレルプログラミングは難しくて、ほとんどの人がプログラムを作成できないという点だ。1つの方法はトレーニングだが、トレーニングも新しいプログラミングツール(たとえば言語)も問題を根本から解決するものではない、という考え方が広まりつつあるように思える。それよりも、全体的には難しい仕組みのほとんどを精巧なアルゴリズムとランタイムによって処理しパラレルの複雑性を抽象化してしまう、マルチコアバーチャライゼーションと呼ぶ方法に向かっているように思える(GoogleのMapReduceがその好例だろう)。

 スーパーコンピューティングとHPCは、かつて1つの世界を形作っていた。今それらは、前途に控えるさまざまな課題を含めて、あらゆる(あるいはほとんどの)コンピューティングの未来を照らす存在になりつつある。私がSC08をとても魅力的なイベントであると感じたのはこの点が大きい

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http://japan.zdnet.com/extra/green-enterprise/datacenter/story/0,3800089561,20384971,00.htm
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