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全体最適化で進めるCTCのグリーンIT戦略

 

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下CTC)は今年4月に、米国でグリーンIT分野における先駆的サーバメーカーであるRackable Systems社(以下Rackable)製品を日本市場で初めて取り扱う事を発表した。米国市場で急速に成長したRackableは、今まで省エネ効果の高い直流電源方式をいち早く採用したサーバメーカーとして知られていたが、直流電源設備が普及していない日本での展開は時期尚早と思われていた。CTCがなぜこの時期にRackable製品の取り扱いを決めたのか、またRackableがなぜグローバル展開の最初のパートナーとしてCTCを選んだのか?その答えはお互いのグリーンITの取り組み姿勢への共感にあるようだ。

データセンター全体の最適化を目指す

 IT機器の電力消費量を抑え、二酸化炭素の排出量を大幅に削減することを目指す「グリーンIT」が進む背景には、温室効果ガスの削減義務を定めた京都議定書の発効や、「2025年までに温室効果ガスの排出量を世界全体で半減させること」が宣言された洞爺湖サミットの開催、連日のようにメディアに取り上げられる環境問題に対する国民的関心の高まりがある。

増大するデータセンターのエネルギーコスト 増大するデータセンターのエネルギーコスト ※画像クリックすると拡大します。

 また、米国環境保護庁(EPA)の調査では、米国において2008年までに1Uサーバの年間に係るエネルギーコストが購入費用を上回ると報告されている。日本においても米国と同様の潮流にあり、キャリアやISP(インターネット・サービス・プロバイダ)、SIerなど、データセンター事業を展開する企業が、グリーン化や消費電力の大幅な削減のためのさまざまな取り組みを推進している。

データセンターの温室効果ガス排出量 データセンターの温室効果ガス排出量 ※画像クリックすると拡大します。

 このような背景のもとCTCは、データセンターにおけるエネルギー効率の改善に取り組む非営利団体である「グリーン・グリッド(The Green Grid)」に日本企業として初めて正式加入するなど、グリーンITを推進する取り組みを本格化させている。その一環として同社は、エネルギー効率化をコンセプトとした環境配慮型の目白坂データセンターを今秋に新たに開設する。

ラッカブル本体のイメージ写真 ラッカブル本体のイメージ写真 ※画像クリックすると拡大します。

 データセンター事業者でありながらIT機器ベンダーでもありSIerでもあるという非常にユニークな立場にあるCTCは、新センターの開設にあわせ、仮想化技術を利用したシェアードホスティングサービスである「Techno CUVIC」を発表した。そして満を持して日本での販売を開始したのが省エネサーバRackableだ。Green Gridの設立企業の1社でもあり、米国内で省エネサーバメーカとして急速にシェアを伸ばしてきたRackableが数多い候補の中からグローバル展開の最初の提携先として選んだのはCTCだった。

 この提携について、CTCのデータセンター事業グループ 事業開発部 赤木 央一氏は、「サーバの低消費電力化を実現するといった部分的な最適化ではなく、データセンター全体の最適化を目指すビジョンや事業戦略がお互いに一致したことが、最大の理由です」と話している。

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