ZDNet Japan AD Special - グローバル競争に金融不安、日本企業は何を考えるべき―インフォアが答える(後編)
オープンなSOAで顧客のエコシステムもサポートする「Extend」
とはいえ、さまざまなソフトウェア企業を買収し、自社のポートフォリオを拡充する手法は他のベンダーでも同様に行われている。だが、汎用的なERP中心に連携させるため、特徴的なソリューションの個性がうまく活かせず、いくら拡張してもなかなか痒いところに手が届かないという課題に各ベンダーが苦心している。
その点、インフォアは、SOAベースによる情報連携のアーキテクチャを買収した全製品に埋め込むことで、製品同士の相互運用性を向上させている。これが2つ目の「Extend」(システム拡張の柔軟性)の部分だという。
「当社のめざすSOAはオープン性を非常に重要視しており、インフォアの製品としか連携しないようにするつもりは全くありません。『OAGIS』(※1)のビジネス文書定義(BOD)に基づく相互運用に関する標準に沿って、ビジネス情報の連携に向けた定義をオープンなものにしているので、他社製品や自社開発のシステムとの連携など、お客様のエコシステムを尊重した導入が可能となっています」(笹氏)
(注釈)
※1 Open Applications Group Integration Specification:非営利のコンソーシアムOpen Applications Group, Inc.(OAGI)が、インターネットおよびイントラネット上のエンタープライズビジネスプロセスやアプリケーションの相互運用性を推進するために定めた、XMLベースのベストプラクティスやプロセスの標準規約。
製品群を融合し革新的なソリューションにする「Evolve」
また、従来見られなかった傾向として、企業の業態までもが変わってしまう変化が起きていると笹氏はいう。これまで小売業はメーカーから商品を仕入れ、販売することを業としていたが、現在は取り扱いの4割がプライベートブランド(PB)商品に移行し、小売業自身が商品企画から生産計画まで管理するというような、製造業的要素を持つような企業も出現している。
さらに、攻める分野が増える傾向もある。飲料メーカーが食品企業を買収するケースや、食品系製造業が医療品や化粧品に進出するケースなど、業態が複合化し始めている。
そのため、インフォアでは買収した業種特化型製品をSOAでコンポーネント化することで、複数の企業や拠点で柔軟に組み合わせて展開をしやすくし、財務的な連結や在庫統合などを実行できるようにしている。それが3つ目の「Evolve」の考え方。ERPを大福帳とはせずに、ネットワーク型のビジネスアプリケーションとして提供し、顧客がどのような業態に変化しても対応できる点が強みというわけだ。
これら3Eにインフォアがこだわる理由として、90年代から2000年代にかけて流行した汎用パッケージの弊害、つまり一枚岩の業務アプリケーションに自社のビジネスを無理矢理に合せようとしたことによる、アドオン開発によるコスト増やROI回収の長期化、開発期間の延長といったことへの反立の主張がある。
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