MIJS企業訪問 ガイア--オブジェクト指向とオープンソースによるERPで目指すSaaSのリーダー

新しいコンセプトと基本構造を持つERPシステムを開発することを目的に、2002年5月に設立されたガイア。同社の代表取締役社長、中道徹氏は、創業に至った理由を次のように語る。

山下竜大(ライトセブン)  2008年9月2日 15時00分

新しいコンセプトのERPを実現

 新しいコンセプトと基本構造を持つERPシステムを開発することを目的に、2002年5月に設立されたガイア。同社の代表取締役社長、中道徹氏は、創業に至った理由を次のように語る。

株式会社ガイア 代表取締役社長 中道 徹氏 株式会社ガイア
代表取締役社長
中道 徹氏

 「なぜ30年以上も前に開発された海外の高額なERPシステムがいまだに日本で評価されているのでしょう。ハードウェアは30年前のスパコンよりいまのPCの方が高性能なくらい進化していますが、ソフトウェアは30年前とほとんど進化していません。ERPを導入したのに経営管理資料は未だにエクセルで苦労して作成しているというような状況を何とかしなければならないと考えました」

 中道氏は、新しいERPシステムのコンセプトに「経営管理情報機能」と「低コスト」を掲げ、それを実現する為に、オブジェクト指向の設計/開発技術の第一人者である、法政大学 情報科学部 情報科学研究科長 工学博士、大森健児氏を取締役に迎え、最新のJava技術と、業務に精通した開発者による、次世代型のWeb対応企業基幹システム開発プロジェクトをスタートする。

 「会社を設立して6年3カ月、ほとんどの期間をソフトウェアの開発に費やしてきました。小さなシステムを作って販売しながら次のシステムを作っていくという選択肢もあったのでしょうが、そうするとなかなか最終目標まで到達できないことが多く、特に現場では、必要な機能をすべてそろえてからという思いが強く、結果的にほぼフル機能を作ってしまいました」と中道氏。かくして同社の製品は、「JGAIA」として結実したのである。

 一方、大森氏は、ガイアに参加するに至った経緯を「1980年代初め、Smalltalkが商用化される前からオブジェクト指向的な考えを持っていました。その後、1995年にJavaが登場し、Javaを利用する機会をうかがっていました。そのころJGAIA開発の話を聞き参加することにしました」と話している。

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