<サーバ管理ではサーバ統合ソリューションが着実に浸透>
[ポイント1] 二つの統合手段(物理集約と論理集約)、共通項は「ブレード」
[ポイント2] サーバ台数3〜5未満の小規模運用にもサーバ統合ニーズあり
<クライアント管理ではシンクライアントの普及が進まない状態>
[ポイント3]認知度は上がるも導入意向は低下、新たなソリューションの登場が待たれる
[ポイント4]1000台以上の規模では特定部署向けと思われる先行導入実績が26%
サーバ統合に関しては小規模運用でも活発なユーザ側導入意向とベンダ側のエントリ向けラインアップ拡充策が呼応し、2008年も順調な伸びを示すと予想される。一方、シンクライアントに関してはハードウェア投資が高額になりがちな点がユーザに敬遠される要因の一つであると推測される。こうした状況を打開するために既存クライアントPCの置き換えやサーバ側の投資を必要とせず、より手軽に導入が可能なソリューションの普及が期待される。また、ベンダ側には運用管理や情報漏えいに変わる新たなメッセージ(消費電力削減など)を訴求するなどのマーケティング上の工夫も求められてくると思われる。
◇対象企業: 全国の年商5億円以上500億円未満のPCサーバ導入民間企業5000社
◇有効回答数: 1210社
◇調査方法: 郵送アンケート
◇調査実施期間: 2008年1月〜3月
−二つの統合手段(物理集約と論理集約)、共通項は「ブレード」
サーバ統合の具体的手段は以下の「物理集約」と「論理集約」に分類できる。
物理集約:
分散して配置されたサーバ筐体を物理的に集めることによる統合。
例) タワー型サーバをラック型サーバへ移行する
論理集約:
複数のサーバ筐体上で稼動するソフトウェア環境(OSやアプリケーション)を一つのサーバ筐体上で稼動させることによる統合。
例)仮想化技術を使って複数バージョンのWindowsOS環境を一つのサーバ筐体上で稼動させる。
物理集約は主に「設置スペースの削減」といった課題の解決策となる。
論理集約は主に「ハードウェアリソースの有効活用」といった課題の解決策となる。
物理集約と論理集約を同時に進め、かつ運用管理面もカバーできる手段として注目されているのがブレードである。ブレードはラックよりも集積度の高いサーバブレードをエンクロージャ(シャーシ)に搭載することによって高い物理集約効果を得ることができる。さらに各PCサーバベンダVMWareやXen Serverなどの仮想化ミドルウェアをブレードに標準搭載し、論理集約の手段を提供している。サーバ統合の手段としてブレードを選択する傾向は徐々に強まってきている。従来のタワー型からラック型への移行(物理集約を主体とした移行)が減り、タワー型からブレード型への移行(物理集約と論理集約を同時に行う)へとシフトしつつある傾向が伺える。
今後は物理集約と論理集約を包括的に扱う運用管理面が重要になってくるであろう。ユーザ側のサーバ管理課題においても運用管理工数削減は常に上位に挙げられている。各ベンダもエントリ向けブレードに合わせ、使い勝手の良い運用管理ツールの提供に力を注いでいる。物理集約/論理集約/運用管理ツールの三つの手段を融合したブレードソリューションが長年の課題であった運用管理工数削減にどれだけ寄与できるか?が2008年以降の注目ポイントである。
−サーバ台数3〜5未満の小規模運用にもサーバ統合ニーズあり
サーバ統合のニーズはサーバ台数の増加と共に高くなる。しかし、以下のグラフが示すようにサーバ台数が3〜5台未満のケースにおいても6割のユーザがサーバ統合に関心を抱いていることがわかる。各PCサーバベンダはブレード枚数が少ないケースを想定したエントリラインアップも充実させてきている。こうしたベンダ側の施策と上記のユーザ側ニーズが呼応して、2008年以降は比較的小規模のサーバ運用環境においてもブレードを中心としたサーバ統合が進むと予想される。
−認知度は上がるも導入意向は低下、新たなソリューションの登場が待たれる
シンクライアントの認知度は2007年と比較して4ポイントの上昇を示した。認知度が向上した一方で、シンクライアントの導入率は伸び悩んでおり、導入意向については2007年よりも若干低下している。こうした現象の要因として考えられるのはシンクライアントの投資対効果である。現在主流のシンクライアントソリューションは既存クライアントPCの置き換えが必要となったり、クライアントで実行されていたアプリケーション実行負荷を吸収するためにサーバ側のリソース増強が必要になるケースが少なくない。中堅・中小企業にとっては運用管理工数削減や情報漏えい対策といった守りを目的とした投資としてはコスト負担が大きい。そのため、シンクライアントがクライアント管理の課題解決に有効であるという理解は深まったものの、自社では導入することが難しいという現実も同時に認識することとなり、それが導入意向の低下に繋がったものと推測される。この状況を打開するためにはハードウェア投資を必要としない新たなクライアント管理ソリューションの提供と普及、運用管理工数削減や情報漏えい防止に変わる新たなメッセージを訴求するなどの工夫が求められる。
−1000台以上の規模では特定部署向けと思われる先行導入実績が26%
中堅・中小企業における導入実績や導入意向では足踏み状態のシンクライアントであるが、以下のグラフが示すようにクライアントPC台数が1000台以上のユーザにおいては導入実績が2割を超えていることがわかる。シンクライアントの導入コストを考えると、これらは全社導入のケースであるとは考えにくい。したがって、契約社員やパートタイマーといった情報漏えいリスクがより高くなる部署などに対する部分的な導入が中心であると推測される。現状のシンクライアント導入はクライアントPCの入れ替えやサーバ側のリソース増強を伴うため、そのコストに見合うだけのメリットを得るためにはクライアントPCの台数がそれなりに多く、クライアントPC運用管理の手間が大幅に削減される状況である必要がある。だが、情報漏えいリスクが高いと思われる特定部署への導入というシナリオであれば部署単位の導入もニーズとしては十分考えられる。今回の調査で見られたクライアントPC台数1000台以上のユーザにおけるシンクライアント導入が全社展開の方向へ進むのか、それとも部署導入に留まるのか?が今後のシンクライアント導入の動向を占う上で重要な指標になるであろう。
当調査データに関するお問い合わせ
株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
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