ビジュアルコミュニケーションがもたらすビジネス・プロセス・イノベーション

「企業活動に会議は不可欠」だけに、その効率化と活性化は企業にとって永遠の課題。そこで、以前から遠隔会議システムが数々提案されてきたが、いずれも高価で使いづらいという声が寄せられていた。そこに登場してきたのがブイキューブ社のWeb会議サービス「V-CUBEミーティング(旧nice to meet youミーティング)」だ。いち早く導入した新日鉄ソリューションズは、社内での活用を進めると同時に、自社のクラウドコンピューティング環境と結合したWeb会議サービス「nice to meet you @absonne」の提供も開始。そこで、ブイキューブの間下社長とシステムの研究に永年携わり、遠隔会議システムにも経験をお持ちの新日鉄ソリューションズの大力氏にWeb会議、さらにはビジュアルコミュニケーションの可能性を語っていただいた。

使えないテレビ会議システムから使えるWeb会議システムへ

大力 修 大力 修

大力 nice to meet youは、もともとは社内で使うために開発されたシステムだと伺っています。

間下 当社はWebのシステム開発や携帯電話のアプリケーション開発を手掛けてきたのですが、その事業をアメリカにも展開できないかと考え、2003年に現地法人V-cube USA, Inc.を設立しました。
当社はそれほど社員もいませんので、日本で仕事をしているとアメリカの仕事が止まる、アメリカで仕事をしていると日本の仕事が止まるという状況でした。そこで日本とアメリカとの間でスムーズなコミュニケーションを図れないかということでテレビ会議システムを検討しました。
しかし当時のテレビ会議のシステムは1,000万円以上と高額でしたので「それなら自分たちで作ろう」ということになり、自社開発したのです。それを社内でブラッシュアップしているうちに「これならお客さんにも提供できる」ということになり、2004年にWeb会議システムとして外販を開始したのです。新日鉄ソリューションズさんにも導入いただきましたが、大力さんは昔からさまざまなテレビ会議システムを使っていらっしゃいますね。

大力 私は1975年に新日本製鐵に入社したのですが、製鉄所が北海道から九州まで散らばっていて、本社とのやり取りが結構大変でした。そして、私が最初に配属された大分の製鉄所から本社に行くには飛行機を利用できるが、八幡の製鉄所からは飛行機が使えないなど、いろいろな制約もありました。
そこで当時からテレビ会議システムを導入していたのですが、価格は億という単位でした。また画像圧縮もできないので専用線を新たに敷設しなければならず、使うにも巨大なラックのある専用の部屋へ行かなくてはならない。さらに、システムを立ち上げるのに1時間もかかるといったことで、とても簡単に使えるものではなかったですね。専用機ですから、マシンが違うと相互に繋がらないなど、様々な問題がありました。

間下 現場で気楽に使えるものではなかったですね。

大力 値段が高いので設備投資になってしまうのですよ。ですから、いろいろな部門の決裁を受けなければならないのでとても気楽に現場で導入できるものではありませんでした。しかしその後、画像圧縮の技術が出てきて、公衆回線経由でも何とか動くようになってきました。
わが社でも当時のシステムがまだたくさん導入されていますが、専用機であり気楽に使えないということで結構苦労していたのですが、そんなときに前から知り合いだった間下さんのnice to meet youに出会ったわけです。このシステムは値段が安いということだけでなく、専用ルームに出かけなくてもインターネットが繋がっていればどこでもできるというメリットがあります。やはりテレビ会議で1,000万円を投資できる会社はめったにありません。また、専用の部屋に行かなければならないというのはビジネス・イノベーションに結びつかないですね。

間下 当社のシステムは場所を選ばずに、普通のオフィスだろうが自宅だろうが、さらに車の中だろうがどこでも使えます。そこで“Face to Face”でコミュニケーションが取れるわけです。

大力 従来のテレビ会議システムは使ってみると意外と役に立たないということがありました。相手の顔が映し出されても、お互い顔なんか見てもしょうがないわけで。実は本当に見たいのは書類なのですね。しかし当時のシステムは、それをカメラで映すのでよく見えないのですよ。
その点、ブイキューブさんのシステムはMicrosoft® Excel®やPowerPoint®などパソコンの標準的なアプリケーションがそのまま使え、そのままの状態で相手に見せることもできます。それは、実際の仕事を行う上で重要ですね。

広がり進化するWeb会議の世界

大力 そのnice to meet youもどんどん進化しているようですね。

間下直晃 間下直晃

間下 ブイキューブのシステムはもともとSaaS型の仕組みで、WindowsでもMacでも、一般的なパソコンであればインストールなしに使っていただくことができるという特長があります。つまり、特別なテレビ会議用の装置は必要なく、インターネットに繋がるパソコンとWebカメラ、ヘッドセットまたは会議用マイクスピーカーがあれば使えます。クライアントに余計なソフトをインストールする必要もありません。最近ではインストールが禁止されている会社も増えていますし、またインストールに手間取るというケースもあります。ですからインストールレスでお客様に簡単にアクセスしていただけるというのは大きな特長です。
またパソコンだけでなく、iPhoneやAndroid端末、iPad、一般の携帯電話などポータブル・デバイスでもアクセスできる環境も提供しています。こうすることで利用シーンは圧倒的に広がりました。つまり、タクシーなどで移動しながらでも使える環境が出来上がっています。

大力 さらに、単なるWeb会議システムという範疇に留まらず、ビジュアルコミュニケーション・プラットフォームという幅広いくくりでサービスを提供しているのもブイキューブさんの特長だと思うのですが。

間下 Web会議に限定するとマーケットは割と狭いのですが、社内の研修だったりオンラインのセミナーだったり、またカスタマーサポートなどもターゲットにビジュアルなコミュニケーション環境を提供しています。このように、幅広いコミュニケーションを支えるツールを揃えているというところもブイキューブのユニークなところです。さらに、新日鉄ソリューションズさんのクラウド環境「absonne(アブソンヌ)」にnice to meet youを載せて販売していただき、システムの幅が広がりました。特にクラウドサービスとして提供する場合、安定性や信頼性がきわめて重要となり、クラウド環境を運用している会社が信用できるかどうかがポイントになります。ですから、新日鉄ソリューションズさんの信頼性の高いクラウドの上に載せさせていただき、そのブランド力、信用力とうまくマージさせていただいたことは当社にとってもありがたいことでした。

大力 実際に、会社の経営会議などクリティカルな情報が飛び交うような会議に使っていただいているケースがあります。こうした会議ではセキュリティがきちっとしていないと危ないという感覚があるようです。また、自治体での導入も始まっています。
同時に、私が一番着目しているのは自社での活用ですが、当社はシステム・インテグレーターですから、お客様のご要望を元にシステムを設計して作り上げ、お納めするという工程があるわけですが、この仕事には実に多くの人間が関わります。しかし、すべての人が本社など一カ所にいるわけではありません。
たとえば基本設計は本社の人間が行い、その後の詳細設計は全国各地のSE、さらに実際の開発は中国やベトナムなど海外で行うというようなケースもあります。そのときのコミュニケーション手段として非常に注目しています。このとき一番大事なことは、すでにふれたように書類などをお互いに共有できるということです。単に言葉のやり取りだけでシステムを作り上げると、後で「思っていたものと違う」というケースがよくありますが、厳格な文書や厳格なチャート類でやり取りできるというのが非常に良いですね。

間下 会議で移動すると移動時間がどうしてもかかりますが、これはそのままCO2の排出にも繋がるわけです。当社のシステムにはWeb会議によって削減できたCO2排出量や交通費を数値で示すECOメーターもついています。新日鉄ソリューションズさんが国内だけでなく海外も含めてシステムを活用されておられるとのことで、それは膨大なCO2とコスト削減に繋がっていると考えられます。

ビジュアルコミュニケーションは教育や医療にも拡大

大力 高速で広帯域の通信インフラが安価で整備されてきていますので、ビジュアルコミュニケーションの適用分野はますます広がりそうですね。

間下 適用分野は医療や教育の分野にも拡大しています。医療では遠隔医療、また教育でいえば、学校に通うという考え方が変わりつつあると感じています。学校に実際に行かなくても単位が取れるという環境が提供できます。従来のe-Learningでは、コンテンツを作りそれを配るという考え方が中心でしたが、それでは教育効果があまり期待できません。今後は非同期ではなく同期型の遠隔教育システム、つまりインターネット上でリアルタイムに、お互いの存在を意識しながら授業を受けるという形に変わっていくと思います。その方が教育効果も高いことが立証されています。
同様に、法人では企業内研修も効果が期待できます。今はどこかの研修施設に受講者を集めて教育を行うという形が一般的ですが、それでは時間やコストがかかります。しかし、この方法だと一度に多くの人に研修を行うことが可能です。

大力 私は経団連の高度情報通信人材育成部会の戦略・企画チームの座長や高度情報通信人材育成支援センター(CeFIL)の理事でもありますが、この活動の中から実際にnice to meet youを基盤とした大学間、学生間のビジュアルコミュニケーションの活用が広がっています。特に教育の場では、双方向であるということと、図表が見られるということが高い教育効果を生み出しています。 さらに教育でも実践力を身につけることが重要だということで、授業で先生の言うことを聞いているだけでなく、学生たちがグループでものを作っていくということを奨励しているのですが、グループ活動ではスケジュールの調整が大変です。離れた場所にいても共同作業ができるという点で、Web会議システムが役に立ち本当に身に付く教育が可能になります。

間下 医療では遠隔医療とともに、介護まわりでも有効だと思っています。われわれは今、地方で実験をやっているのですが、たとえば独居老人宅のテレビそのものをIT化して、テレビの中にPCが入っている状態にするわけです。そこでリモコンのボタンを押したら病院に繋がったり、テレビ会議や行政サービス、買い物代行サービス、ネットスーパーに繋がったりという形にし、これを組み合わせることで独居老人の介護をはじめ外出が難しい人に対して、より簡単なインタフェースで“Face to Face”のコミュニケーションが取れるようにしようと、そういう試みが始まっています。

大力 私もビジュアルコミュニケーションはいわゆる会議だけではない分野に広がっていくと思っています。最初は社内でWeb会議を行うという形であっても、そこにいろいろな人が加わり、いろいろなサービスが提供されるということですね。コールセンターでも、今は声だけでやり取りするという形ですが、そこで相手の顔が見える。さらには営業や各種の行政サービスなどでコミュニケーションの輪が広がっていくことによってイノベーションが広がっていくのではないかと考えています。

※absonne/アブソンヌは、新日鉄ソリューションズ株式会社の登録商標です。
※Excel、PowerPointは、米国 Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
※その他本文記載の会社名及び製品名は、それぞれ各社の商標又は登録商標です。

http://japan.zdnet.com/extra/nssol_201009/story/0,3800108187,20418513,00.htm
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