分析の試行錯誤がビジネスの“種”を育てる 「IoT Foundation」でアイデアを即カタチに

 人間を介さず、"モノ"がリアルタイムかつ双方向に通信する「モノのインターネット(Internet of Things:IoT)」。新たなビジネスの創出と、産業構造のパラダイムシフトをもたらす、ディスラプティブ(破壊的)技術として注目されている。ビジネスにアジリティが要求される今、企業がIoTを活用して競争力を強化するためには、ユーザーが求める製品/サービスをいち早く具現化し、市場に投入することだ。

鈴木徹氏
日本アイ・ビー・エム
ソフトウェア事業
Analytics 事業部
IoT Technical Lead
鈴木徹氏

 こうした状況において"カギ"となるのは、ソフトウェア開発のスピードである。特に、IoTソフト/システムの開発は、既存の開発手法で多く採用されているウォーターフォール型では、対応することが難しい。日本IBM Analytics事業部 IoT Technical Leadの鈴木徹氏は、「IoTは急速に拡大しつつある市場ですが、アイデア次第でその活用方法は無限大です。IoTソフト開発で重要なのは、まずチャレンジしてみること。失敗も伴うことも念頭に、『Fail Fast』でアプローチすることです」と説明する。

 可能性がなければすぐに方向転換できる環境には、低コストで素早く、かつ簡単に構築できるプラットフォームが求められる。つまり、クラウド環境だ。鈴木氏は、「IoT開発プラットフォームは、クラウドが最適です」と力説する。

 自動車などの製品や工場の設備機器などを対象にしたM2M(Machine to Machine)などで既に実績とノウハウのある製造業だけでなく、先進的なサービス業や小売業においては、必ずしも物理的なモノに限定されない「サービス」や「顧客体験」などデジタルなコンテンツを対象にしたIoTを活用した新たな製品/サービス、そして業務を効率化する"仕掛け"の検討が進んでいる。そのアイデアを実現するために重要なのは、ITリソースを柔軟に利用でき、かつ機能の拡張性を担保した環境だ。

 IoTからビジネスを生み出すアイデアは、IT部門よりも顧客と接する機会の多い営業部門や、製品企画部門から上がることが多い。彼らのアイデアをいち早く具現化するためには、彼ら自身が利用できるバックエンドシステムと"道具"が必要だ。

 一般的に実行環境などのプラットフォームは、PaaS(Platform as a Service)で提供されることが多い。しかし、PaaSはソフト開発の目的に合わせ、ユーザー自身がフレームワークや言語、データベースといった"道具"の組み合わせを考える必要がある。鈴木氏は、「ビジネスサイドのユーザーにとって、一般的なPaaSはハードルが高い」と指摘する。

 「例えばPaaS上に『便利な機能を搭載した"道具"が100個も用意されていますよ』と提示しても、IT知識のバックグラウンドがなければ、適切に選ぶことは難しいでしょう。そうであれば、IoTソフトを作成するのに最適なものをあらかじめ絞り込んで提供すればよい。それを具現化したのが、IoTを構成するデバイスの接続を促進する『IoT Foundation』です」(鈴木氏)

IoT Foundation+Bluemixで迅速なアプリ開発が可能に

 IoT Foundationは、クラウド・ベースのフルマネージド・サービスで、「IBM SoftLayer」(IaaS)を基盤とする「IBM Bluemix」(PaaS)環境内で配備されるものだ。IoT用のデバイスが「レシピ」という形で登録されており、ユーザーはあらかじめ用意されたテンプレートを使うことで、IoTアプリのプロトタイプを柔軟に構築できる。

 IoT Foundationに包含されるのは、「ARM mbed」「Intel Galileo」「Raspberry Pi」など、IoTデバイスに接続するためのレシピのほか、M2MやIoTに特化したプロトコルの「MQ Telemetry Transport(MQTT)」を使用したデバイス接続、デバイスの登録/管理を司る機能、デバイスやアプリケーションでのイベントを、ほぼリアルタイムに生成/消費する機能、IoTデータ・ストレージ用の組み込みである「Time Series Historian」などだ。

 鈴木氏は「IoTシステムの構築には、個々の道具(機能)を自由自在にドラッグ&ドロップでつなぎ合わせられる『コンポーザビリティ』の概念が必要です。IoTの進化のスピードを考えれば、『3年かけて10年運用できるシステム』ではなく、『3年後に変更できるシステムを、3カ月でカタチにする』ことです。そうした状況では、"道具(機能)"を簡単に追加/交換できるプラットフォームが必要なのです」と説く。

 IoT FoundationにはIoT処理フローをGUIでプログラミング無しにドラッグ&ドロップで連携させられる「Node-RED」フローエディターや、デバイスをシミュレートする「Device Simulator」、シミュレータからのデータを可視化するダッシュボードなど、直感的に利用できるインタフェースが揃っている。これらを利用すれば、さまざまなブロックをつなぎ合わせるだけで、IoTアプリを構築することが可能だ。もちろん、IoT Foundationで構築したIoTアプリは、Bluemix上に展開することができる。こうした両者の連携によって、スピーディなIoTアプリの開発と展開が実現するのだ。

社内ハッカソンでアイデアを具現化する

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