コンテナで始まる 企業ITの次なる革新

エンタープライズコンテナの必須要件

 コギン氏によれば、コンテナ技術はすでに欧米企業を中心に急速に普及し始めており、多くの企業が、開発・デプロイのスピードアップや効率化、あるいは開発・運用プロセスの簡素化を目的にコンテナの活用に取り組んでいるという。

マーク・コギン氏

 このような市場の流れに一層の拍車をかけるべく、レッドハッドでは、オープンソースソフトウェア(OSS)のテクノロジーを用いたコンテナソリューションの開発・提供に力を注いでいる。レッドハットのソリューションの強みとして、コギン氏が第一に挙げるのは、コンテナのホストOSとなる「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」がエンタープライズ向けOSの中でスタンダードの地位にある点だ。

 「コンテナ技術は基本的にOS(ホストOS)の機能に依存し、OSの優劣によってコンテナ技術の(エンタープライズ領域での)実用性が決まると言っても過言ではありません。その点、RHELは、エンタープライズ向けLinuxのスタンダードであり、信頼性・安定性の面から見ても導入がしやすく、RHELをベースにすることで、コンテナ自体のライフサイクルが伸びると確信しています」(コギン氏)。

 もう一つ、レッドハットのコンテナソリューションの優位性として、コギン氏が指摘するのがセキュリティだ。コギン氏によるとコンテナ技術に関してはセキュリティ上の懸念が、企業でのコンテナ活用を阻む大きな障壁になってきたという。そのため、レッドハットでは、セキュリティの確保をエンタープライズ領域でのコンテナ普及を推進するうえでの最重要課題として取り組んできたと、コギン氏は説明する(図1参照)。

図1:エンタープライズ領域におけるコンテナの要件 図1:エンタープライズ領域におけるコンテナの要件
※クリックすると拡大画像が見られます

 「例えば、コンテナのレジストリサービス"Docker Hub"に公開されている公式イメージの36%は、セキュリティ上の脆弱性を含んでいるとされています。それに対して、レッドハットのコンテナイメージはすべてセキュリティの検証が行われ、即座にセキュリティアップデートが行われます。また、コンテナのホストOSとして機能するRHELもSELinuxベースのセキュアなOSであり、信頼性の高いエキスパートによって頻繁にセキュリティアップデートが繰り返されます。また、レッドハットのコンテナでは、OpenSCAPやBlackDuckに対応したコンテナスキャニングのインタフェースをプラグインできるようになっており、より安全性の高い運用を可能にしてます。」(コギン氏)。

可搬性・管理性に優れたソリューション

 レッドハットのコンテナ技術は、ポータビリティの高さも特徴の一つだ。その優位性を支えているのが「RHEL Atomic Host」である。

 Atomic Hostは、コンテナを利用するために設計されたLinuxディストリビューションであり、最新版の「RHEL7」に含まれるパッケージの中から、コンテナの実行に必要なパッケージだけが抽出され、構成されている。そのため、Atomic Hostは、物理サーバ、仮想サーバ、プライベートクラウド、パブリッククラウドなど、RHEL7がサポートするあらゆる環境で導入することが可能であり、さまざまなITプラットフォームをまたいだコンテナのデプロイ/移動を可能にしてます。見落としがちですが、これはとても重要なことです。

 さらにレッドハットは、ハイブリッド環境上にデプロイされ、運用される大量のコンテナの開発・テスト・実装・管理を支援する統合プラットフォーム「Red Hat OpenShift Container Platform」を提供しています。同プラットフォームは、コンテナオーケストレーションの仕組みを包含したコンテナアプリケーションプラットフォームであり、CI/CDを実現可能にし、OpenStackディストリビューションである「Red Hat OpenStack Platform」や統合管理ツールの「Red Hat CloudForms」などとともに、エンタープライズLinuxコンテナの環境を形成し、企業ITプラットフォームのドラスティックな変革を実現可能という(図3参照)。

 「すでに多くの企業・組織がOpenShiftを採用し、さまざまなメリットを手にしています。特にアプリケーションの構築からデプロイにかかる時間を短縮したり、アプリケーション管理を自動化し、IT運用効率を向上させたりといった効果は、OpenShiftを導入したどの企業・組織にも共通しています。日本企業は欧米に比較して保守的で、コンテナの導入に慎重ですが、アプリケーションのマイクロサービス化やDevOpsを推進するためにも、コンテナの導入を検討して欲しいと考えており、是非一度触ってもらうことをお勧めしている。

 また、DevOpsに関しては日本でDevOpsディスカバリーワークショップを提供開始している。DevOpsのベネフィットを理解し、直面するビジネス・システム課題を発見し継続的に解決するための、第一段階の無償のワークショップです。DevOpsを検討している、もしくは取り組まないといけないと考えている人には、非常に良いプログラムです。」(コギン氏)。

ユーザー名 組織の概要 経営課題 主なメリット
FISCO FICOクレジットスコア等のリスクを算定するソリューションを提供する、主要な財務分析ソフトウェアのプロバイダー ●提供するサービスの多様化と新たな市場への対応によってビジネスを拡大させる ●オンデマンドプラットフォームにより、クライアントは必要なアプリケーションを構築し評価にかかる時間を短縮化できるようになった
●サービスへのオンラインアクセスを可能にするため、新たなFICO Analytics Cloudの構築を決定 ●OpenShiftがプロビジョニングとプラットフォームスタックのシステム管理を自動化し、IT運用効率を向上
●OpenShiftはまた、オンプレミスのプラットフォームデリバリー向けの組み込みソリューションを提供
●レッドハットは、FICO がサービスを維持し、スムーズに運用できるよう、専門的なコンサルティグとサポートを提供
Amadeus 世界の旅行業界に先進のテクノロジーソリューションを提供する大手プロバイダー ●旅行者の予約リクエストをさまざまな供給者の商品(航空会社やホテル等)にマッチさせる必要がある ●アプリケーション中心型のデプロイで、アプリケーション全体をその依存関係とともに展開
●世界中の供給者側システムからの絶え間ない更新を処理 ●クラスタをまたがる自動スケジューリングで、「何を実行するか」と「どこで実行するか」を分離
●高度な一貫性と早い応答時間を実現しなければならない ●HTTP/ステートレスなサービスに限らず、多種のアプリケーションのサポートを実現
●ピーク時で最大21万クエリという膨大なリクエストを管理 ●運用モデルの改善と効率の向上
シドニー工科大学 3万9,000名の学生と3,110名の職員を要する工科系大学 ●IT部門はサービスのボトルネックに直面しており、次の3つの領域でリソースを浪費していた ●開発・運用(DevOps)プロセスの標準化と自動化
・学生の経験価値 ●多くの開発言語/フレームワークをサポート
・仮想マシン ●多くのアプリケーションを同じインフラで共有することができるため無駄とコストを削減
・レガシーデータ ●新しい環境に適合させるために既存のアプリケーションを変更する作業が不要に
マーク・コギン氏
インフォメーション
提供:レッドハット株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2017年5月9日
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