ページリンク
連載バックナンバー
オフィシャルサイト
- デル オフィシャルサイト
- コンピュータシステムメーカー直販大手・デル株式会社の公式サイト。「デル・ダイレクト・モデル」に基づいたカスタムメイドの高性能・高品質の製品と、顧客データベースに基づいたきめ細かいサポートを展開しています。
2つ目の柱は仮想化だ。仮想化について、マイクロソフトは独自の仮想化戦略を前提としているという。
「VMwareを始めとした他社の仮想化製品は、サーバやシステム全体を丸ごと仮想化してしまおうというものです。マイクロソフトの仮想化の考え方は少し違い、ハードウェア、OS、アプリケーション、さらにプレゼンテーション(表示)やデータといったレイヤーに分け、お客様が必要な部分だけを必要に応じて仮想化していくことが狙いです。これによって企業内で最適化された仮想プラットフォームが実現できるのです」(田中氏)
その中でもキーになっているテクノロジーが「Hyper-V」である(詳細は本連載第1回を参照)。これは、サーバ仮想化のレイヤーを担うものだ。アプリケーションの仮想化はSoftGridで実現し、さらにプレゼンテーションの仮想化はWindows Server 2008に搭載された新しいターミナルサービスが適している。
「仮想化を導入する際に重要なのが、運用面です。1台のハードウェアに複数のサーバを仮想化すれば、物理的には集約できますが、論理的には乱立してしまうことになりかねません。つまり、そうした複数のサーバをどのように一元管理するかということがもっとも重要になります。マイクロソフトでは、運用管理ソフトウェアのSystem CenterにVirtual Machine Managerという製品を追加するなど、運用面に関しても仮想化を網羅する製品を提供する予定です」(田中氏)
3つ目の柱、セキュリティについては、「ネットワークアクセス保護(NAP)」機能を備えたことが大きな機能強化点である。この機能は、内部ネットワークに“信頼できない”クライアント端末が接続され、そこから外部へ情報が漏えいしたり、内部にマルウェアが侵入したりすることを避ける、いわゆる「検疫ネットワーク」を実現するものだ。
「日本の検疫ネットワーク市場は、5年以上も前から製品が登場していますが、市場自体は広がっていません。その最大の理由は、初期導入コストが非常にかかるためだと考えています。また、クライアント側にエージェントを導入する必要があり、そのエージェントの展開やバージョンアップの手間も課題です。その点、NAPはWindows Server 2008の標準機能であり、追加コストはかかりません。クライアントがWindows Vistaであれば、NAPのエージェント機能がすでに含まれているため、エージェントプログラムを配布する必要もありません。マイクロソフトでは、Windows Server 2008とWindows Vistaの導入が進めば、NAPによる検疫ネットワークも広まっていくと考えています」(田中氏)
もうひとつ、セキュリティと利便性を両立した新機能が「TSゲートウェイ」である。これは、インターネット経由でターミナルサービスをセキュアに利用できるものだ。このほかにも、Active Directoryの「RODC(Read Only Domain Controller)」は、チェーンストアの小規模店舗など、物理的にセキュアではない場所でActive Directoryを展開するための新しいソリューションとして注目されている。