マサチューセッツ州ケンブリッジ発--有名な投資家であるVinod Khosla氏は、クリーンテクノロジの最も熱心な支持者の1人である。しかし、現在のクリーンテクノロジの大半は、同氏の主張する自動車10億台基準(環境技術が出回っても、それが一部の自動車にしか採用されなければ意味がないという考え方)にほど遠い。
「そもそも規模感がなければ意味がない。昨今、よく話題になるハイブリッドやバイオディーゼル、エタノール、太陽電池、地熱などでは、気候変動問題の規模を考えるとまったく対応しきれるものではないと考えている」(Khosla氏)
MITのEmTech会議で講演するVinod Khosla氏。(Martin LaMonica/CNET Networks提供)
Khosla氏は、米国時間9月24日にマサチューセッツ工科大学(MIT)で開催されたEmTech08会議(旧Emerging Technology Conference)で基調講演を行い、エネルギー、政策、投資について語った。
22日にも同大学のエネルギーを研究する学生向けに講演し、同様のテーマを多数取り上げた。
Khosla氏は総じて、気候変動やその他の環境問題の解決に対するテクノロジの可能性を楽観視している。自動車やセメント工場が、大気中の二酸化炭素を増やすのではなく減らすものになったとしたら、ということを想像してみてほしい、と言う。
しかし同氏は、気候変動を、現在のエネルギーインフラストラクチャの徹底的な見直しを必要とする世界的な問題ととらえている。つまり、アジアやその他急成長を遂げている国が、西欧諸国と同様にエネルギー大量消費社会へと移行しようとする世の中で、石油や石炭に代わるエネルギーを導入する必要があるということである。
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