マイクロソフトとの連携でサポート体制を強化
マイクロソフトなどのベンダやLinuxなどのオープンソースコミュニティと協力関係を築いていることも特長の1つだ。多田氏によると、米マイクロソフトには日立の技術者が常駐しており、日立サポートチームと連携して、不具合のあった箇所をWindowsのソースコードレベルで特定する体制を敷いているという。
日立製作所 多田 公昭氏
(ITプラットフォーム事業本部 PFビジネス本部サービスビジネス推進部主任技師)
「実際にストレージのアンマウントに失敗してバックアップ処理が中断したケースや、ログオン時に遅延が発生しシステムがスローダウンしたケースに対処した事例があります。お客様環境で限定的に起こる不具合だったのですが、日立から修正モジュールを提供するかたちで問題解決に至りました。『ベンダとも直接契約しているが、日立とも契約しておいてよかった』という声をよくいただきます」(多田氏)
Windowsに対する日立のサポートは、Windows NT以来15年以上の実績があり、案件ベースでは、毎月1500件、累計で15万件を処理してきた経験とノウハウを持つ。このうち99%以上を自社解決するなど、迅速な対応という点で際立っている。また、日立が原因を特定し、マイクロソフトへ修正モジュールの提供依頼を行った結果、修正モジュールの提供を受けお客様の課題を解決した事例も多い。
今回のアンケートでは、Windows Server 2003のサポート期限切れへの対応状況についても聞いたが、マイグレーション計画の進捗については 「すでに完了している」が約27%、「計画がある」が約22%、「検討中」が約17%、「未定」が約15%、「計画がない」が約20%だった。
また、マイグレーション計画とあわせ社内のサポート体制の見直しを考えているかについては「特に考えておらず、現状維持」が約63%であるのに対し、「いい機会なので検討したい」が約14%、「サポートサービスを導入し、コスト削減を図りたい」が約5%、「今までサポートサービスは重視していなかったが、万一の保険として検討中」が約3%など、サポート体制に対しなんらかの見直しをしようと意欲を持っている回答者はおよそ5人に2人いることがわかった。OSの移行では、同じ系統のOSであっても、仕様が細かく変わっていることがあり、ノウハウがなければ対応に時間がかかることもあるからだ。こうした部分を埋めるのにも、サポートサービスの活用は有効ということだ。
「例えばWindows Server 2003とWindows Server 2008ではTCP/IPの実装に違いがあり、アプリケーション側から2003と同じように設定しようとしてもできないことがあります。ファイアウォールの設定やセキュリティポリシーの設定のデフォルト値が変わっており、従来の設定を引き継げないケースも少なくない。バージョンが古いためインターネットから情報を得ることに苦労する場合もある一方で、Hyper-Vへのマイグレーションなど、最新の知識が求められる作業も発生することがあり、意外な落とし穴になることもあります」(多田氏)という。
「また、マイグレーションについて検討中という方も多くいらっしゃいますが、サポート期限が迫っているWindows Server 2003の移行スケジュール計画がマイクロソフトのサポート期限である2015年の7月を越えた場合にも日立サポート360では、お客様のWindows Serverのサポートを継続します。」(多田氏)
これなら、ハードの保守期限などの企業システムのライフサイクルに合わせた移行が可能だ。これからWindows Server 2003の移行を検討されている方にも、日立サポート360では、効率的で段階的な移行のサポート体制ができている。
ここまで読者アンケートの結果を見ながら、復旧時に求められるサポートのあり方などを考えた。阿部氏と多田氏は今回、評価のポイントとして、ワンストップ、プロアクティブ、製品ベンダとの連携といった点を挙げ、同時に日立の強みとしている。今後、何らかのサービス導入を検討するのであれば、ぜひ選択肢として同社のサービス概要を一読頂きたい。