システムの実環境に合わせてデータの最適化をサポートする

藤井氏
ソフトウェア開発におけるデータ最適化の重要性について語るカントリーマネージャーの藤井等氏

 エンバカデロ・テクノロジーズ(以下、エンバカデロ)のカントリーマネージャーである藤井等氏は、最近のアプリケーション開発の市場について、新規システムを1から作るのではなく、既存のシステムや資産を活かしながら、それを改修・拡張するというケースが増えていると指摘する。それも一枚岩のシステムとして作るのではなく、核になるいくつかのコンポーネントを作成し、それらをつなぎ合わせたり、一部でASPやSaaSなどを利用したりして全体を組み上げていくスタイルが主流になってきているという。

 このような既存システムを元にした開発では、既存の資産とどのように向き合うかが重要なポイントとなる。従来から使われてきたデータやプロセスを前提とし、それを活かしながら、全体として矛盾が生じないように新しいシステムを作り上げる必要があるからだ。そこで藤井氏は、現在のシステム開発の現場に求められる力として以下の3つを挙げている。

  1. 現状を正確に認識するための分析力
  2. 状況に合わせた開発のための機動力
  3. 次のライフサイクルに進めるためのリバース力
米澤氏
ツール導入の効果をデモを交えて説明するシニアセールスエンジニアの米澤千賀子氏

 ツールベンダーであるエンバカデロの仕事は、開発者に対してこれらの力をサポートするためのツールを提供することだ。藤井氏によれば、このうちの機動力についてはRAD(Rapid Application Development)ツールである「Delphi」が極めて有効であり、例えばデータベースの移行やアーキテクチャ変更に対しても高い柔軟性をもって対応することができるという。

 しかしDelphiがカバーするのはあくまでもアプリケーション側での対応力であり、データベース側の最適化が行えるというわけではない。データベース移行の問題のひとつは、移行後のシステムと既存のデータとの相性が必ずしもいいものであるとは限らないという点である。そのため実際の環境を詳細に分析し、新しいシステムに合わせてデータを最適化するという作業が必要となる。

 エンバカデロでは、この作業をサポートするツールとしてデータモデリングツール「ER/Studio」を提供している。ER/Studioには既存のシステムからリバースエンジニアリングでER図を生成する機能が用意されており、実際に動いていたシステムのモデルを元にデータの再設計に着手することができる。また、データモデルを論理モデルと物理モデルの2つのレイヤで見ることができる点も大きな特徴。論理モデルではテーブルの名前やデータ型などを人間に分かりやすい形で表記することができ、物理モデルではそれらが実際のデータベースにおける名称や型に紐付けられる。物理モデルは論理モデルをもとに生成できるため、概念上の設計にデータベースの種類を意識しなくてもよく、なおかつ実運用環境に則した物理モデルを作成できるというメリットがある。

 「システムの移行というのは、単に新しいシステムで動けばいいというものではありません。実際のシステム要件に合わせてデータを再設計しなければ十分な効果を得られないこともあるわけです。ER/Studioは単にER図を描くだけのお絵描きツールではなく、過去に蓄積された生のデータを活かすツールです。開発の初期の段階から導入していただくことで、小手先だけではない、現実の状況に合った移行を行うことができます」(藤井氏)

図1 ER/Studioではデータモデルをビジュアルに設計することが可能(クリックで拡大画像表示
図2 データリネージによりデータの流れと依存性の状態を把握することが可能(クリックで拡大画像表示
http://japan.zdnet.com/extra/embarcadero_201003/story/0,3800103913,20409851,00.htm
データなくしてソフトウェアなし、データベースの重要性
ページリンク
提供:エンバカデロ・テクノロジーズ
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部