ZDNet Japan AD Special - ストレージ仮想化と階層管理を実現する「F5 ARX」--年率50%以上で増加するファイルストレージにかかるトータルコストを大幅に削減

ARX導入で運用・管理コストを60%削減した企業

 ある国内の製造業に、年率50%〜60%でストレージ容量が増加している企業があった。この企業では利用される主なデータは、開発データや個人PSTファイル、オフィス系データなどで、2010年までのストレージ増設計画では40TBが必要と試算されていたという。

 ストレージの増設においてこの企業では、データの重要度を考慮せずにひとつのファイバーチャネル(FC)ストレージですべてのファイルを管理する場合とデータの重要度や属性を考慮してFCストレージとシリアルATA(SATA)ストレージを使い分けるファイル管理の効率性について検討していた。

 武堂氏は、「一般的に業務で頻繁に利用されるファイルは全体の約20%で、あまり頻繁には使用されないファイルは80%といわれています。たとえば、180日間まったく使われない80%のファイルを、頻繁に使用する20%のファイルと同じ高価なストレージに入れておくのはコストやバックアップの観点でまったく非効率です」と話す。

 そこで、頻繁に使用する20%のファイルは高信頼性、高性能なFCストレージ(プライマリストレージ)で、残りの80%のファイルは低コストで大容量を実現できるSATAストレージ(セカンダリストレージ)で、というようにストレージを階層に分けて管理する。また、セカンダリストレージに保存されているデータがアクセスされた場合は、「よく使われるデータ」としてプライマリストレージに自動的に移動するようにする。このストレージ環境を導入した結果、ストレージにかかるコストの大幅な削減を実現した。

 この環境構築計画に基づいてストレージを導入していくとして、いったいいくらコストを削減できるのだろうか。FCストレージを1TBあたり200万円とし、SATAストレージを1TBあたり80万円とすると、単純計算ではFCストレージだけで構成する場合は40TBで8000万円必要になるが、ILMに基づいたストレージ導入を行うことで同じ40TBが5680万円で導入できる。

 武堂氏は、「1年目はARXの導入コストが含まれているので、それほど効果は感じられないかもしれませんが、2年目以降からはストレージの導入コストを劇的に削減することが可能になります」と話す。

 一方、運用・管理コストを1TBあたりおよそ2万円のテープにバックアップするためのコストで試算すると、毎週フルバックアップをすると2539万円必要になる。一方、階層かされた環境でFCストレージは週1回、SATAストレージは月1回のバックアップとすると979万円に削減できる。

 武堂氏は、「この試算には人件費が含まれていないので、運用・管理における人件費を含めるとさらにコストの削減効果は大きくなります。このモデルケースでは、ストレージの導入で30%、運用・管理で60%のコスト削減を実現しています」と話している。

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