進化を続けるクラスタ
かつてスーパーコンピュータといえば、HPC処理を目的として設計された専用のハードウェアで構築されているものがほとんどだった。その種のマシンは今もある。IBMのBlue Geneはその例の1つだ。まだ創業間もないSiCortexも独自設計のマシンを展示した。しかしスーパーコンピューティング全体としては、大規模な特殊システムを構築するのではなく、市販のラックマウントサーバまたはブレードサーバを数多く組み合わせたクラスタリングで構成する手法が主流になっている。このようなトレンドは決して新しいものではないが、成長は続いている(これがInfiniBandが最近になって再び認知を得ている理由の1つなのは確かだ)。
控えめな一歩を記したMicrosoft
上海スーパーコンピュータセンターにあるDawning 500AがスーパーコンピュータのランクTop500の上位10位に入り、Microsoftもこの分野で認められるようになった。イベントではまだWindowsより、Linuxや、(多くはないが)そのほかのUNIX系が依然として優位だった。それでもこの事例は、Microsoft製品が技術的にはHPCにも対応できるという考え方を補強するには有効だろう。もっとも、UNIXのツール類や使いこなしのスキルをすでに有していたり、あるいはそういった方向に傾きがちな環境に、Microsoftが簡単に割って入っていくだろうとはいえない。ただし、商用環境でのHPC利用がより一般的になるのに伴い、Windowsがすでに足跡を残しているこのマーケットにMicrosoftのビジネスチャンスがあることを意味している。
関連情報
-
スパコントップ500、首位のIBM「Roadrunner」をクレイ「Jaguar」が猛追
11月発表のスパコントップ500では、6月発表時点で1ペタフロップスの壁を破っていたIBMの「Roadrunner」が首位を守ったが、2位のクレイ「Jaguar」も同じく1ペタフロップスを超える性能を示し、僅差で猛追をかけている。 - Mellanox、イーサネットとInfiniBand両対応のチップサンプルを出荷へ
- InfiniBandサポートで、Linuxスーパーコンピューティングの普及に弾み [From CNET Japan]
- スパコントップ500ランキング発表--PS3のCell採用のIBM「Roadrunner」が首位
- スパコントップ500ランキング発表--IBMの「BlueGene/L」が断トツ
- SiCortex
- Microsoft
「The Pervasive Datacenter」 のバックナンバー
-
「イマーシブ」はコンピューティングのメインストリームとなり得るか?
コンピューティング環境にユーザーを没頭させようという「イマーシブ(没入型)コンピューティング」が提唱されている一方で、若者に限らず多くの人々は、ほかの作業をしながらパソコンを使う「ながら」的な使い方になじんでいる。 -
ライセンス戦争の終結
-
企業が管理するPCから個人所有のPCへ
-
シンクライアント:アピールポイントはROIの高さだけにあらず
-
変容するコンピュータ環境--エンタープライズシステムの構築者が今すべきこと
- The Pervasive Datacenter 一覧へ »
ホワイトペーパー
協賛企業
IBMのGreen Enterpriseへの取り組み
-
IBMとグリーンな世界へ。
IBMのサーバー、ソフトウェア、サービスで、より環境に配慮したグリーンな世界へ。 -
グリーン化を支援するIBMの様々なソフトウェア
エネルギー効率の向上や社員の働きやすい環境の実現により、コスト削減とグリーン化を
IBMに関連する記事
- 2010年上半期の国内売上額、伸びたのは富士通とNEC--IDC調査
IDC Japanは2月14日、国内IT市場における主要ベンダーの2010年上半期(1... - 日本IBM、データベースのセキュリティを強化するアプライアンス製品
日本IBMは2月14日、データベースのセキュリティを強化し、コンプライア... - 日本IBM、2011年は「クラウドとBAO」に注力
日本IBMは、2011年の事業方針について会見を開き、同社 代表取締役社長... - ITで下水道運営を効率化--日本IBM、国土交通省と「下水道事業IT推進勉強会」を設立
日本IBMは2月8日、ITを用いた新たな下水道事業の運営スタイルの確立に向... - 三井住友海上、カスタマーセンターシステムを刷新--日本IBMが構築
日本IBMは2月7日、三井住友海上火災保険のカスタマーセンターで利用する...