スーパーコンピューティングへの旅のまとめ

スーパーコンピューティングのイベント「SC08」は熱気にあふれていた。分散処理やメニーコアに対応したプログラミングなど、これからのコンピューティングを示すヒントがそこにあった。

文:Gordon Haff(Special to CNET News.com)
翻訳校正:川村インターナショナル  2008年12月10日 08時00分

進化を続けるクラスタ

 かつてスーパーコンピュータといえば、HPC処理を目的として設計された専用のハードウェアで構築されているものがほとんどだった。その種のマシンは今もある。IBMのBlue Geneはその例の1つだ。まだ創業間もないSiCortexも独自設計のマシンを展示した。しかしスーパーコンピューティング全体としては、大規模な特殊システムを構築するのではなく、市販のラックマウントサーバまたはブレードサーバを数多く組み合わせたクラスタリングで構成する手法が主流になっている。このようなトレンドは決して新しいものではないが、成長は続いている(これがInfiniBandが最近になって再び認知を得ている理由の1つなのは確かだ)。

控えめな一歩を記したMicrosoft

 上海スーパーコンピュータセンターにあるDawning 500AがスーパーコンピュータのランクTop500の上位10位に入り、Microsoftもこの分野で認められるようになった。イベントではまだWindowsより、Linuxや、(多くはないが)そのほかのUNIX系が依然として優位だった。それでもこの事例は、Microsoft製品が技術的にはHPCにも対応できるという考え方を補強するには有効だろう。もっとも、UNIXのツール類や使いこなしのスキルをすでに有していたり、あるいはそういった方向に傾きがちな環境に、Microsoftが簡単に割って入っていくだろうとはいえない。ただし、商用環境でのHPC利用がより一般的になるのに伴い、Windowsがすでに足跡を残しているこのマーケットにMicrosoftのビジネスチャンスがあることを意味している。

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http://japan.zdnet.com/extra/green-enterprise/datacenter/story/0,3800089561,20384971,00.htm
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