栗原 潔氏が聞く!Flexible & Smartの新コンセプトでITリソースと業務運用の効率化を業務視点で支える「JP1 Version 9」徹底解説

仮想化の普及、クラウドコンピューティングの登場など、めまぐるしく変化する昨今のIT環境。企業の生命線であるシステムの安定・安全な稼働のためにIT管理者の利用すべきツールとして挙げられるのが運用管理ツールだ。本稿では、弁理士・技術士(情報工学)の栗原潔氏が、代表的な国産の運用管理ツールである「JP1」を提供している日立製作所の石井武夫氏に話しを伺った。

IT投資が冷え込む中でも運用管理は堅調

株式会社 日立製作所 ソフトウェア事業部 システム管理ソフトウェア本部 本部長 石井 武夫氏 株式会社 日立製作所
ソフトウェア事業部
システム管理ソフトウェア本部
本部長 石井 武夫氏

栗原氏 言うまでもなく今日の経済環境は企業のIT予算にも大きな影響を与えています。このことは、運用管理ツールの分野にどのような影響があるとお考えですか。

石井氏 日本国内企業のIT投資マインドが大きく冷え込んでいるのは確かなことで、どのような調査結果を見てもそれは明らかです。しかし、それでも運用管理ソフトウェアの分野は下方修正こそされたものの、右肩上がりの成長を続けていくと見込まれています。お客様の関心のレベルも高い状態が続いています。これは、運用管理ツールがサーバ統合や運用自動化をすることで、コスト削減が実現するという認識が広まった結果であると考えています。

栗原氏 確かに、厳しい状況であればこそ一層の効率化を進める投資が必要という発想は見られますね。

石井氏 部分最適の積み重ねや人手だけに依存したやり方ではダメです。全体最適と自動化が必要という考え方は“当たり前”なのですが、平時ではなかなか重要視されにくいと思います。厳しい環境だからこそ、この当たり前の考え方が注目されていると言えるでしょう。

現場主導型で顧客の信頼を獲得してきた「JP1」

栗原氏 現在まで日本国内の運用管理ツール市場においてJP1はリーダーシップの地位を維持してきていると見ていますが、その理由はどこにあるのでしょうか。

石井氏 オープンシステム普及の初期においてメインフレーム級の堅牢性を提供できたこと、そして、現場のお客様の声を聞きそれに着実に応えてきた点が大きいと思います。また、バージョンアップにおける過去バージョンとの互換性も重要視しています。ひとことで言えば現場主導型であるということでしょう。開発部門の人間が直接お客様と対話できる日本企業ならではの特徴も評価されたと考えています。

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