知られざるアプリケーションサーバ仮想化の盲点?! 最新のCosminexusが3つの課題を解消

よりシンプルな構築・運用を実現するCosminexus V8.5

 日立製作所のJava・ミッションクリティカルWebシステム基盤の「Cosminexus」は、SOAプラットフォームを標榜したV8から、新たに仮想化AP基盤構築ソリューションのV8.5へと進化した。

 中でも、Cosminexus V8.5を象徴する機能強化が、仮想化アプリケーション基盤構築ソリューションである。仮想化を推進していく上で、企業は可用性や信頼性、あるいは運用に不安を抱えている。仮想化環境における安定稼働と業務単位でのシンプルな構築・運用を実現するのが同製品のコンセプトだ。

 企業における仮想化の狙いについて、尾花氏は、「当初は柔軟な運用よりもIT資産を集約化することでガバナンスを効かせるニーズも高かった」と話す。サイロ化したままのサーバの増大で情報システム部門の目が届かなくなることへの危機感があったのだという。その解決の第一歩がサーバの物理的統合だった。

 しかし、現在は集約したサーバ環境における柔軟なアプリケーション基盤の構築へとニーズが変化している。尾花氏は、「必要なタイミングで必要な分のITリソースを割り当てる基盤を作ることにより、新しい業務システムの立ち上げ期間短縮させたい狙いがある」と分析する。「Cosminexus V8.5ではそれら課題を、『シンプルな構築・運用』と『大容量メモリ環境での安定稼働』で解決できます」(尾花氏)。SIerの視線でそれぞれの課題がどのよう解決できるのか順に紹介してみたい。

構築業務の負担を激減させる仮想サーバの「一括構築」

 まずは構築フェーズの課題だ。仮想化においては仮想サーバのイメージを複製しても、環境設定は1台1台必要になる。OSの設定、サーバ環境の定義、アプリケーションの適用など、一台ごとに異なる作業を繰り返していくことで、ユーザーミスを誘発しやすく、作業時間もかかってしまう。

 Cosminexus V8.5では、共通の仮想サーバイメージを作成し一括構築するとともに、個別の設定作業も不要にした。共通のマスタさえ作っておけば、「Cosminexusマネージャ」が仮想サーバごとにCosminexusの設定を自動で行ない、構築から起動、さらにはロードバランサへの追加まで、作業をすばやく支援するので、ミスなく迅速に構築・起動が実現できる。

 柔軟なアプリケーション基盤を構築するには、業務アプリケーションは複数の仮想サーバに分散し、配置変更にも適宜対応しなければならない。そのうえ、ITリソースはバランス良く有効活用することになる。しかし、複数の仮想サーバのクラスタリングのために1台1台環境設定や起動・停止を繰り返すとユーザーミスが心配され、管理や作業も大変である。Cosminexus V8.5を用いることで、従来(Before)と比べ、大幅な時間とコストの削減につながる。

http://japan.zdnet.com/extra/hitachi_201002/story/0,3800102919,20406878,00.htm
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