OSSでコスト削減、その真価のありかは?

不況下でのシステム投資の考え方

 世界的な不況の影響からいまだに脱しきれない状況にある現在、IT投資も当然ながら削減傾向にある。IT関連支出を大幅に削減した企業も多く、好調な企業でもIT投資は横ばい程度というところが大半だ。しかしながら、現在の企業活動はITシステムの支えなしには効率的な運用は不可能となっており、IT投資を単純に削減するだけではいわば“負のスパイラル”にはまり込むリスクがある。

 優れたITシステムを構築できれば、事業効率を高め、たとえば従来以上のきめ細かな顧客サービスをコストアップなしに実現できるなど、競合優位を確立することも期待できる。こうした話はよく語られているが、「そうは言ってもこの状況下でIT投資額だけを聖域扱いすることは不可能だ」というのがおおかたの反応だろう。しかしながら、コスト削減と競合優位確保のための新システムの構築が両立可能だとしたら、話は変わってくるのではないだろうか。

 不況は、裏返せばチャンスになる。ライバルが身を縮めるようなIT投資削減に取り組んでいるとしたら、このタイミングで優れたITシステム構築を行なうことで競合優位を確立できる。もちろん、IT投資を増額するのは論外で、総投資額は削減しつつ、競合優位に繋がるようなシステムを構築したいわけだ。そういう場合こそ、商用ソフトウェアに比べてライセンス料が安価に抑えられるOSS(オープンソース・ソフトウェア)採用の意味が明確になってくる。

※売上高に対するIT投資比率・経年変化(01〜08年)

OSSは低コストなのか?

 OSSを利用しても、思ったほどコストが下がらないという声もある。あまり重要ではないシステムのOSとしてLinuxを入れるくらいでは、劇的なコストダウンが見込めないのは当然だ。

 コストダウンに関しては、「乾いたぞうきんをさらに絞る」とよく言われるが、これは「乾いたぞうきんしか残っていない」場合に意味を持つ話だ。びしょぬれのぞうきんを放置したまま乾いたぞうきんを絞るのは、労多くして実り少ないのは明らかだ。

 では、ITシステムの中で「絞ると大きな効果が期待できる分野」はあるだろうか? まだ商用製品が多く使われている、アプリケーション・サーバとデータベースはその有力候補となるだろう。これらのサーバは性能や信頼性がとりわけ重視されるため、OSSの採用に不安を感じるユーザー企業も少なくないだろう。とはいえ、たとえばOSSのアプリケーション・サーバとして著名なJBossでは、機能面では既に商用製品と比較しても不足する機能が見あたらないほどのレベルに達しており、実運用の事例も増えてきていることからその性能や信頼性に関しても実証済と考えてよいほどに洗練度を高めてきている。

※4つの IT 投資の関係
http://japan.zdnet.com/extra/sios_201001/story/0,3800102729,20406348,00.htm
OSSでコスト削減、その真価のありかは?
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