サーバ仮想化ならNASも一緒にリニューアル サンがオープンストレージ製品ラインナップを拡充
データサービスが標準かオプションかで価格も天地の差
ここで、比較例を示してみよう。ハイブリッド・ストレージ・プールをサポートするサン・マイクロシステムズのシステムは、80GBのSSDを読み出し用キャッシュ(L2ARC)と、32GBのSSDを書き込み用キャッシュ(ZIL)とともに、4200回転の安価なSATAのHDDを5台でストレージプールを構成。一方、一般的なストレージシステムとして、1万回転のSASのHDDを7台で構成したものとを想定した。
この条件の場合、ハイブリッド・ストレージ・プールは2倍の容量にも関わらず全体のコストはほぼ同一となる。また、読み込みIOPs(1秒間に可能な処理回数)はハイブリッド・ストレージ・プールが3.2倍、書き込みIOPsも約11%高速で、消費電力も5分の1近く少ない結果となった。
たとえ安価なHDDを利用しても、書き込み・読み出しに高速なSSDを組み合わせることで、TCOを押さえつつパフォーマンスを高めるシステムを構築できるのが、サンの目指すSun Storage 7000シリーズの狙いなのだ。
また、Sun Storage 7000シリーズが安いことを決定づける理由として、ストレージシステムに不可欠なNFS(Network File System)やCIFS(Common Internet File System)、iSCSIなどプロトコルをはじめ、ミラーリング、リモートリプリケーション、スナップショットなどの各種データサービスが標準(無償)で提供されていることにも注目しなければならない。他社製品ではこれらのライセンスは容量課金による有償のオプション対応となる場合が多く、実はハードウェアに匹敵するほど大きな負担となるから注意が必要だ。
Sun Storage 7000シリーズがラインナップを拡充
Open Storageを象徴する製品として、Sun Storage 7000シリーズがラインナップを拡充。現在までに4製品がリリースされているので紹介しよう。
「Sun Storage 7110」は、エントリークラスの低価格でエンタープライズレベルのデータ管理機能を両立したストレージアプライアンス。1万回転の2.5インチSASドライブを最大16台、合計4.2TB(raw)の容量を、高さ2Uのコンパクトな筐体に収容する。
「Sun Storage 7210」は、高さ4Uの筐体に3.5インチのSATA IIドライブを48台搭載することで最大142TB(raw)の容量を提供可能な、ミッドレンジ構成のユニファイド・ストレージ・システム。書き込み専用に最適化された36GBのSSDを搭載することで、ラックスペースと消費電力を抑制しながら、高速な書き込みスループット性能を必要とするアプリケーションを提供する。
シリーズのフラッグシップとなる「Sun Storage 7410」は、6U(単一システム)または8U(クラスタ構成)のユニットに、3.5インチSATA IIドライブを最大576台搭載することで576TBもの容量拡大に対応。クラスタ構成時、最大16台(288GB)の書き込み専用SSDと、ノード毎に最大6台(合計600GB)の読み出し専用SSDを搭載できる。スケーラビリティを優先し、ダウンタイムに対し最大限のデータ保護環境を必要とする企業向けのユニファイド・ストレージ・システムだ。
障害を未然に監視する業界唯一の解析ツール
このSun Storage 7410は、前述のZFSによるハイブリッド・ストレージ・プール・アーキテクチャを採用している。単一障害箇所の影響を受けないアクティブ−アクティブ構成のクラスタシステムで可用性をさらに高めている。また、最小容量10TBから導入でき、ビジネスニーズの変化に応じてストレージ容量や演算処理能力、リード側とライト側の専用キャッシュ(SSD)を漸増させることも可能となっている。7,200回転のSATA IIドライブを採用することで、消費電力や冷却にかかる維持コストも低減できる。
そして、Sun Storage 7210とSun Storage 7410の間を埋めるべく、今年5月にリリースした最新の「Sun Storage 7310」は、3.5インチSATA IIドライブを最大96台(96TB)収容可能なミッションクリティカルなエントリレベルのストレージを必要とする企業向け。Sun Storage 7410同様に、ハイブリッド・ストレージ・プール・アーキテクチャとリード/ライト専用SSDキャッシュにも対応する。
さらに、Sun Storage 7000シリーズにはリアルタイムでシステムを分析・監視する「Fish Works」が付属する。これは運用状況やパフォーマンスを、業界で唯一リアルタイムで監視解析できるツールだ。ネットワークやIOのボトルネックを察知し、ネットワーク全体へ影響を及ぼす前にデバッグを可能にする。SolarisのFMA(Fault Management Architecture)による包括的なセルフヒーリング機能も備え、システムの中に潜む問題を自動的かつ透過的に特定・診断し、障害リスクを持つコンポーネントを自動的にオフラインにする。
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