Solaris 10へPostgreSQLをバンドルするメリットはまだあると永安氏は言う。
「OSSを利用する際、開発者の立場として考えると、ソースをダウンロードしてコンパイルすれば利用できるという気楽さはあります。ただし、そのコンパイルの実行に関する手間もありますし、OSSは多種多様なソフトウェアを結集させたものですので、組み合わせて正常に動作するかどうかの検証から始めなければいけません。これに対して、最初からバンドルされていれば正常動作が保証された状態から始めることができるので、導入における信頼性の確保と動作検証の手間が大幅に削減できます。特に開発者サイドでは、この手間を省けることが大きなメリットと言えますね」(永安氏)
「自分の手で最新バージョンをダウンロードしてコンパイルすることですぐに利用できる」というところはOSSのメリットのひとつである。しかし、業務システムとしての利用を考えると、環境構築のための手間がかかる点がボトルネックとなる。この環境構築の手間を大幅に軽減できるメリットを考慮した場合、バンドル手法が有効策といえる。PostgreSQLだけでなく、他のOSSに関しても同様だ。それに対してサンでは、Solaris上でインストールすればすぐ利用できるパッケージでスタッキング(様式を統一)して提供する「Cool Stack」の提供を始めている。Cool Stack自体はUltra SPARC T1上での利用を想定しており、Sun Studio上で最適なコンパイルオプションを指定して作成を行っている。このため、Solarisに最適化されたバイナリが提供されている。
永安氏はこのような試みに対して「実際に私も利用してみましたが、パッケージをインストールするだけで済むというのは画期的なアイディアだと感じました。余計なところで作業が止まることがないというのは重要だと思います。あとは、自分のやりたいことがやりたいスピードでできるということをケアする仕組みができればいいなと思います」と評価する。