SCBのメンバーはSIer 16社、ISV 16社に加え、チップベンダーなどを含むハードウェアメーカーなど3社で構成されている。
「いろいろな企業に声をかけたところ、実に多くの方々からご賛同を頂くことができました。これだけ多くのメンバーで発足することができましたし、SIerとISVを合わせ、バランスのよい構成だと思います」(藤岡氏)。
顔ぶれを見てみると、SIerとISVを中心にSolaris on x86上でのビジネス環境をサポートするためにさまざまな活動を行っていけるメンバーだと言えるだろう。(全メンバーのリストはこちら)
実際の活動については、「具体的な施策については、今後メンバー間で検討していく予定です。まずは、Solaris on x86をベースにしたビジネスを立ち上げることを前提に、新規ビジネスの獲得における有効な情報やノウハウを共有していきたいと思います。 また、Solaris on x86の価値認知を拡大していくという意味では、コミュニティメンバー企業のソリューションやサービスの紹介を通じて、成功事例についても情報発信をしていければと考えています」と藤岡氏は語る。
「SIerを中心に、Solaris on x86におけるビジネス体制の構築が必要だと思っています。ただ、x86環境においては既にWindowsやLinuxといった先行プラットフォームがあるので、これらプラットフォームと比較した場合の独自性や優位性をアピールし、お客様の選択肢を増やすという方向がよいのではないかと思います。加えて、ますます多様化していくお客様のニーズに応えるためにWindowsに一極集中している現状を打破することで、『Windows』『Linux』『Solaris』というx86環境における各プラットフォームの適材適所化を図っていきたいと思います」(大城氏)
また、市場におけるSolaris on x86を活用したビジネス機会や他のOS環境に対する優位性については「Solaris on x86ではシステムの堅牢性はもちろんの事、高負荷時の安定性では特に優れています。また、仮想化におけるビジネス機会としては、いち早く取り組み、既にノウハウを蓄積している点では優位と言えますね」と古渡氏は語る。
さらに「お客様に提案する場合、まずお客様から『この機能(ソフトウェア)が動作しなければいけない』という条件をいただくことがあります。SPARC環境なら動作するソフトウェアでも、x86はサポートしていないと言うこともありますので、そうした点を改善するのも大切だと思います」と古渡氏はソフトウェアの充実の必要性を話す。
「そのためには、『これまでのSPARC環境と何が違うのか、どのように直せばx86でも動作するようになるのか』という情報が必要です。これらの情報をISVに提供し、アプリケーションをSolaris on x86で動作するように変更するための手助けを行う必要があるでしょう」と大城氏はISVをサポートして対応ソフトウェアの拡充を行っていくことも活動のひとつだと語る。
「また、開発のサポートだけでなく、お客様のニーズをISVに提供することで、どのようなアプリケーションに対するニーズがあるのか、どのようなアプリケーションを開発すればよいのかということをアピールしたいです。また、積極的にソフトウェアの開発を促していけるコミュニティにもしたいですね。」(古渡氏)と続ける。
このようにSCBではSolaris on x86を利用したソリューションをユーザーに対し、選択肢のひとつとして安心して提供できる体制を作ることを目指している。そのためにはSIerがソリューションの検証や紹介を行い、認知度の更なる向上を図ることや、アプリケーション開発のサポートを行い、さまざまなソリューションに対応できる環境を構築することが活動の内容として挙げられている。