米金融安定化法案、クリーンエネルギーセクターも救済

米国時間10月3日に成立した米国の金融安定化法には、再生可能エネルギーを対象として多くの優遇措置が盛り込まれた。風力発電業界や太陽光発電業界は法案成立を歓迎している。

文:Martin LaMonica(CNET News.com)
翻訳校正:川村インターナショナル  2008年10月22日 08時00分

 今回の法改正によって、とくに日照条件が良好で、かつ、州が支援的政策を進めている州の消費者にとっては、太陽エネルギーはより魅力的な投資へと姿を変えたことになる。

 調査会社のNew Energy Financeは、9月27日に発行したクライアントへのメモの中で、一般的な太陽電池パネルを設置した場合の投資回収期間は、カリフォルニア州では10年間から7年間に短縮され、フロリダ州では15年間から12年間に短縮されるだろうと書いている。

 生産税控除と呼ばれる風力発電企業への助成金は1年間延長された。進行中の風力発電プロジェクトが中断されるわけではないが、業界が求めていた長期的な基盤作りには十分とはいえない内容となった。

 New Energy Financeは風力発電に対する助成の延長を「適切な応急処置」と表現しつつも、事業者の発電容量の拡張に拍車をかけるには不十分とした。

 大規模な地熱プロジェクトおよびバイオマスプロジェクトを対象とした生産税控除は2年間延長された。

 100キロワット未満の小型風力タービンでは今後8年間にわたって最高4000ドルの税が控除される。

 住宅用の地熱ヒートポンプでは2000ドルの税が控除される。また、海洋発電システムを対象とした税控除も8年間延長された。

 Solar Energy Industry Association(SEIA)の理事長であるRhone Resch氏は、声明の中で、「この法律は、エネルギー自給に向けた長い過程における大きな一歩であると同時に、太陽エネルギーが米国の未来のエネルギーとして大きな役割を担っていくことを明確に示すものだ」と語っている。

 Resch氏は、2016年までには、太陽光エネルギーが消費者にとって最も安価な電力供給源になるだろうと述べている。

 「この法案の通過は、太陽エネルギー業界が連邦議会から「お墨付き」を与えられたということを意味している。今後は、積極的な投資、生産の拡大、消費者から見た太陽エネルギーのコスト低減が図られていくだろう」と、SEIAの委員長でSuntech Americaの社長を務めるRoger Efird氏は声明の中で述べている。

関連情報

ホワイトペーパー
http://japan.zdnet.com/extra/green-enterprise/green-tech/story/0,3800089562,20382286,00.htm
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