国立環境研究所、人工衛星のデータ解析システムでAPCの冷却システム導入

田中好伸(編集部)

2010-05-19 17:30

 国立環境研究所(NIES)内の地球環境研究センターは人工衛星で温室効果ガスを全球観測する「GOSATプロジェクト」で研究用衛星データ解析システムに、APCジャパンの冷却システム「InfraStruxure InRow」などを導入した。APCジャパンが5月19日に発表した。

 GOSATプロジェクトは、2009年1月に打ち上げられた地球観測衛星「いぶき」から二酸化炭素とメタンの濃度を全球で観測して、そのデータを解析して地球温暖化を科学的に分析し、将来の気候変化予測を高度化させ、温室効果ガス削減施策などの基礎情報として活用しようというもの。環境省とNIES、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で展開している。

 同プロジェクトでは、衛星データ解析の計算処理時間短縮と精度向上を目的に、新しいシステムを導入。膨大なデータ処理に対応する計算能力に加えて、環境への配慮という観点から1ラックあたり8.0〜10.0kWの発熱量が想定されるシステムをいかに効率的に冷却し、トータルでコストや消費電力を抑えた導入、運用をするかが大きな課題になっていたという。

 導入されたのは、データセンターやサーバルーム内の発熱をラック列(Row)単位で冷却し、暖気(ホットアイル)と冷気(コールドアイル)を分離させるモジュール型冷却システムのInfraStruxure InRowシリーズで冷媒方式を活用した「InfraStruxure InRow RP DX」、ホットアイルをドアと天井パネルで周辺空気と分離してInRowで冷却された空気との混合を避ける「Hot Aisle Containment System(HACS)」。加えて主要なサーバやネットワーク機器を搭載できるマルチベンダーラック「NetShelter SX AR3100」と同AR3300、ラックごとの使用電力量を計測できる電源タップの「Metered Rack-Mount PDU AP7841」も導入されている。

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