Web 2.0 Summitで語られた未来の電気自動車

限りある石油資源を使わない電気自動車の開発が進んでいるが、ビジネスモデルとして展開するには莫大な投資が必要だ。米国で電気自動車に取り組むベンチャー2社の動きを紹介する。

文:Josh Lowensohn(CNET News.com)
翻訳校正:川村インターナショナル  2008年11月19日 08時00分

 Tesla Motorsは現在、2ドアのオープンカーを販売しているが、消費者の手に届く段階で10万ドルを超える値段が付けられていて、しかも生産にかかる期間も短いとはいえない。予約リストには現時点で少なくとも1200人が名前を連ねているが、この数は同社の現在の年間生産台数に相当する。「当社の年間生産台数は1200台からせいぜい1500台程度だ」とMusk氏。

 2009年初めに発表予定の4ドアセダンやさらにその後継となる「3万ドル以下」の低価格車が提供される頃には生産台数を増やしたい意向だ。それらすべてはTesla Motorsの生産技術の向上とテクノロジーの開発にかかっている。Musk氏は年間数十万台規模の生産を実現したいとしている。その規模であれば、基本的には、多くの販売店を展開できるだけではなく、見込み客を予約リストで待たせないようにするには十分だ。

 Agassi氏はより広いビジョンを描いている。車両の生産に焦点を当てるのではなく、バッテリ技術を根本的に変えようとしており、既存の自動車メーカーに従来の内燃エンジンに代わりそれを採用させようという考えだ。Agassi氏は、2008年1月に同社への投資を表明したイスラエル政府とともに、必要なインフラの整備をイスラエル国内ですでに始めている。Better Place対応自動車を開発するRenaultと日産は、2011年中のどの時点かで電気自動車の一般販売を開始する予定だ。2011年はイスラエル政府が支援中のバッテリ交換スタンドが整備されるタイミングに合致する。

 「イスラエルは、石油資源を持たない国である以上、石油に依存するべきではないと認識している」とAgassi氏。同氏は、次期米国大統領に選出されたBarack Obama氏がBush大統領よりも、同社の計画に対して理解を示してくれるだろうと考えている。またAgassi氏は、米国が石油に依存した状態から脱却を図るために何らかの施策をすぐにでも進めなければ、国内の自動車にガソリンを給油できなくなったときに混乱が起きてしまうだろうと考えている。「エネルギー問題の1つが解決に8年は要するという点だ。今から準備を進めていかなければ、万が一の事態になったときに対応が困難だ」

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自動車業界をガソリン依存でない世界へ導きたいという同社の計画を説明する、
Better Placeの最高経営責任者(CEO)であり共同創業者のShai Agassi氏
(提供:CNET Networks / Dan Farber)
http://japan.zdnet.com/extra/green-enterprise/green-tech/story/0,3800089562,20383815,00.htm
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