Tesla Motorsは現在、2ドアのオープンカーを販売しているが、消費者の手に届く段階で10万ドルを超える値段が付けられていて、しかも生産にかかる期間も短いとはいえない。予約リストには現時点で少なくとも1200人が名前を連ねているが、この数は同社の現在の年間生産台数に相当する。「当社の年間生産台数は1200台からせいぜい1500台程度だ」とMusk氏。
2009年初めに発表予定の4ドアセダンやさらにその後継となる「3万ドル以下」の低価格車が提供される頃には生産台数を増やしたい意向だ。それらすべてはTesla Motorsの生産技術の向上とテクノロジーの開発にかかっている。Musk氏は年間数十万台規模の生産を実現したいとしている。その規模であれば、基本的には、多くの販売店を展開できるだけではなく、見込み客を予約リストで待たせないようにするには十分だ。
Agassi氏はより広いビジョンを描いている。車両の生産に焦点を当てるのではなく、バッテリ技術を根本的に変えようとしており、既存の自動車メーカーに従来の内燃エンジンに代わりそれを採用させようという考えだ。Agassi氏は、2008年1月に同社への投資を表明したイスラエル政府とともに、必要なインフラの整備をイスラエル国内ですでに始めている。Better Place対応自動車を開発するRenaultと日産は、2011年中のどの時点かで電気自動車の一般販売を開始する予定だ。2011年はイスラエル政府が支援中のバッテリ交換スタンドが整備されるタイミングに合致する。
「イスラエルは、石油資源を持たない国である以上、石油に依存するべきではないと認識している」とAgassi氏。同氏は、次期米国大統領に選出されたBarack Obama氏がBush大統領よりも、同社の計画に対して理解を示してくれるだろうと考えている。またAgassi氏は、米国が石油に依存した状態から脱却を図るために何らかの施策をすぐにでも進めなければ、国内の自動車にガソリンを給油できなくなったときに混乱が起きてしまうだろうと考えている。「エネルギー問題の1つが解決に8年は要するという点だ。今から準備を進めていかなければ、万が一の事態になったときに対応が困難だ」
自動車業界をガソリン依存でない世界へ導きたいという同社の計画を説明する、
Better Placeの最高経営責任者(CEO)であり共同創業者のShai Agassi氏
(提供:CNET Networks / Dan Farber)
関連情報
-
「ままごと」から脱却するには--著名投資家コスラ氏が考えるクリーンテクノロジ
有名な投資家であるV・コスラ氏は、クリーンテクノロジの最も熱心な支持者の1人である。そんな同氏の最近の講演を元にして、技術の飛躍的な進歩に支えられた大胆なクリーンテクノロジ構想について考えてみよう。 - フォトレポート:GMのハイブリッドカー「Chevrolet Volt」、パリモーターショーに登場 [From CNET Japan]
- BMW、MINIを使って電気自動車を開発中 [From CNET Japan]
- Tesla Motors、電気スポーツカー「Tesla Roadster」の商用生産を開始 [From CNET Japan]
- SAP元幹部S・アガシ氏、電気自動車ベンチャーを立ち上げ
- トヨタ、新ハイブリッド車を公道走行試験へ--家庭用コンセントで充電可能 [From CNET Japan]
- Tesla Motors
- PayPal
「Green Tech」 のバックナンバー
-
ナノテク技術による「通話発電」の携帯電話が誕生?
ナノテク技術を活用した圧電素子によって、声の振動を電気エネルギーに変換できる可能性が出てきた。 -
太陽光発電を始めるにあたって便利な7つのサイト
-
Web 2.0 Summitで語られた未来の電気自動車
-
米金融安定化法案、クリーンエネルギーセクターも救済
-
「ままごと」から脱却するには--著名投資家コスラ氏が考えるクリーンテクノロジ
- Green Tech 一覧へ »
協賛企業
-
IBMとグリーンな世界へ。
IBMのサーバー、ソフトウェア、サービスで、より環境に配慮したグリーンな世界へ。 -
グリーン化を支援するIBMの様々なソフトウェア
エネルギー効率の向上や社員の働きやすい環境の実現により、コスト削減とグリーン化を
IBMに関連する記事
- 2010年上半期の国内売上額、伸びたのは富士通とNEC--IDC調査
IDC Japanは2月14日、国内IT市場における主要ベンダーの2010年上半期(1... - 日本IBM、データベースのセキュリティを強化するアプライアンス製品
日本IBMは2月14日、データベースのセキュリティを強化し、コンプライア... - 日本IBM、2011年は「クラウドとBAO」に注力
日本IBMは、2011年の事業方針について会見を開き、同社 代表取締役社長... - ITで下水道運営を効率化--日本IBM、国土交通省と「下水道事業IT推進勉強会」を設立
日本IBMは2月8日、ITを用いた新たな下水道事業の運営スタイルの確立に向... - 三井住友海上、カスタマーセンターシステムを刷新--日本IBMが構築
日本IBMは2月7日、三井住友海上火災保険のカスタマーセンターで利用する...