熱気を閉じ込めろ--グリーン化とTCO削減を実現する「HACS」の底力:APCジャパン

 

サーバなどのIT機器から発生する排熱をどうコントロールするかは、データセンターにおけるシステム運用管理の要だ。
データセンターを効率化させるという点でも注目を急速に集めているのが、APCジャパンが提供する「Hot Aisle Containment System」(HACS)だ。

 企業のビジネス活動と情報システムが直結している現在、情報システムの基盤であるハードウェア、それらを支える設備(ファシリティ)がいかに安定的に稼働させるとともに、いかに高い効率で運用・管理していけばいいのかが問われている。“100年に一度”と言われる経済危機が進行する中で、情報システムには効率性向上が求められており、ハードウェアとファシリティの重要性は変わらないどころか、むしろ高まっている。

  中規模・大規模の情報システムとなると、自社内のサーバルームに設置、あるいは外部のデータセンター事業者に置かざるを得ないが、ここで注目しなければならないのが、サーバやスイッチなどのIT機器から排出される“熱”をどのように管理すべきなのかという問題である。もし熱をそのままにしておけば、サーバは熱暴走を起こして情報システムが不安定になってしまう。最悪のケースはシステム全体が停止してしまうことで、企業のビジネスそのものが停止することになってしまうというものだ。

ユーザー企業からの興味が高い

 排出される熱をいかに管理して、一定の温度に保持するかという点で現在注目を集めているのが、エーピーシー・ジャパン(APCジャパン)が提供するモジュール式冷却装置「InRow」シリーズと、ハードウェアから排出される熱、つまり“暖気”(ホットアイル)を閉じ込めてしまう装置「Hot Aisle Containment System」(HACS)だ。InRowとHACSに対するユーザー企業からの評判について、同社の安藤敦氏(ソリューション事業部ビジネスデベロップメント)は「商品の説明をすると『わかりやすい』『運用しやすそうだ』との評価を頂いています」とユーザー企業からの興味が高いことを説明する。

 HACSのどういった点が注目を集めるのか。それを説明するには、データセンターなどでの従来の冷却システムがどういったものであるかを明らかにする必要がある。

図1:従来型冷却システムの問題 図1:従来型冷却システムの問題
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 従来の冷却システムの場合、ホットアイルと冷気(コールドアイル)がぶつからないようにラックは設置され、ラックの列から離れたところに空調装置を設置するという基本的な仕組みを取っている。だがこれだけでは、冷却システム全体での効率は低いことが明らかになっている。

 ホットアイルとコールドアイルが直接にはぶつからないようになっているものの、実際には混合された熱気がサーバに回り込んでしまうことでサーバの吸気温度が上昇し、サーバの不安定動作を招くとともに、それを原因としてサーバの故障率が上昇してしまう、という事態になっている。

 またラックから離れたところにある空調装置は空間全体を冷やすが、24時間365日稼働しており、ファンは常に一定で、速度を変えずに回転している。そのため、電力消費がどうしてもムダに大きくなってしまう。また、広い空間となるとファンそのものが大きくり、やはりムダな電力消費となる。

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企業紹介:APCについて
2007年にシュナイダー・エレクトリック・グループの傘下となりましたAPCは、データセンターの省電力化を目指す非営利団体The Green Gridへの参加、先進的なテクノロジの開発など、データセンターの最適化実現に向けて積極的に取り組んでいます。

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