熱気を閉じ込めろ--グリーン化とTCO削減を実現する「HACS」の底力:APCジャパン
IT機器に寄り添う
InRowとHACSの組み合わせは、運用の効率性を高めるだけではない。空間効率も向上させることができる。少ない面積により多くのサーバを収容できるからだ。また、初期投資と運用費の両面でコスト低減をもたらすことで、TCO削減という点でも意義あるものとなっている。運用に伴う消費電力量が低下することから、二酸化炭素(CO2)排出量を削減できるという結果ももたらす。
InRowとHACSはモジュールで構成されるが、これはつまりインフラが標準化されるというメリットをもたらす。導入前の検討や実際の導入期間が短縮され、TCOが削減される。また、モジュールでの導入となるため、システムの規模にあわせてインフラを導入できる。つまりはスモールスタートができるため、過剰投資を削減できるのだ。更には、あるシステムは「N+1」、別のシステムは「2N」というようにゾーンごとに冗長レベルを設定することができるので、ここでもまた過剰投資をしなくてすむのである。
InRowとHACSによる冷却システムは、これまでと比較して大きなメリットをもたらすことが分かるだろう。その大きな理由について同社が「IT機器をよく分かっているベンダーだから」と安藤氏は語る。
サーバの形状はタワーからラックマウントへ、そしてブレードへと過去十数年の間でも大きく変わってきている。その間も、APCジャパンは無停電電源装置(UPS)から分電盤、InRowやHACSのようなラックに至るまで、IT機器に寄り添った製品を提供し続けてきている。同社だからこそ、InRowやHACSのようにIT機器を理解している冷却システムを提供できると、安藤氏は自負している。
APCでは、TCO削減とグリーンITをInRowとHACSが創出している。同社とNECのデータセンターおよびファシリティソリューションにおけるパートナーシップは、今後も注目されると思う。
企業紹介
- 企業紹介:APCについて
- 2007年にシュナイダー・エレクトリック・グループの傘下となりましたAPCは、データセンターの省電力化を目指す非営利団体The Green Gridへの参加、先進的なテクノロジの開発など、データセンターの最適化実現に向けて積極的に取り組んでいます。
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