(第2回)情報をビジネスの“力”に変える魔法の箱IBM WebSphere DataPower

前回は、激変するビジネス環境に対応するために抱える企業システムの課題と、それを解決するアプライアンス製品「IBM WebSphere DataPower」の概要、さらに、WebSphere DataPowerをいち早く導入した企業の成功事例について紹介した。今回は、そのWebSphere DataPowerの機能や強みなどについてより詳しく紹介する。

1Uの筐体で必要なESB機能を網羅したWebSphere DataPower

 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)が提供する「IBM WebSphere DataPower(WebSphere DataPower)」は、ESB環境の実装に必要なソフトウェアをあらかじめ1U(約4.4センチ)の専用ハードウェアに搭載し、最適なチューニングを施したSOA(サービス指向アーキテクチャ)アプライアンス製品。ひとつのデバイスに複数の機能を統合し、最適化することで、シンプルで高速なESB環境のデプロイと運用/管理環境の簡素化を実現する。

 最大の特長は、Webサービスやメッセージングサービス、ファイル、データベースなどの各種プロトコルを超高速に変換できること。また、XMLデータやレガシーデータ、業界標準フォーマット、カスタムフォーマットなど、広範囲のデータフォーマットの変換もドラッグ&ドロップなどの簡単な設定で設定できる。

 さらに、高度なWebサービスのアクセス制御やポリシー管理、メッセージフィルタリング、フィールドレベルでの暗号化など、セキュアなWebサービスの構築が可能。このとき、Webサービスのリクエストを監視したり、トラフィックがしきい値を超える場合にリクエストを拒否したり、さらにログの収集などの機能も搭載されている。

DataPowerの配置例 DataPowerの配置例

WebSphere DataPowerを選択するメリットとは?

 アプライアンス製品を採用するメリットは、強固なセキュリティに基づくシステム統合をシンプルなデプロイで実現することが可能なこと。これまでのように汎用的なサーバにESBやセキュリティ対策などのソフトウェアを独自にインストールし、設定、管理する必要がなく、短期間でESB環境を構築し、運用/管理することが可能。システム連携にかかるTCO(総保有コスト)を削減することができる。

 また、WebSphere DataPowerを導入してESB環境を構築するメリットとしては、大きく以下の3つが挙げられる。

コスト削減

維持管理の効率化

コンプライアンスの強化

 ESBにより既存アプリケーションやレガシーシステムのサービス化を実現することで、システム連携における再利用性を向上。このとき、アプリケーション同士のフォーマットやプロトコルの相違をESBが吸収できるので、開発生産性を向上し、開発および運用コストを削減することができる。

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)では、ESBを実装するための製品として、Webサービスの接続機能とJMSメッセージング機能を兼ね備えたソフトウェア製品である「IBM WebSphere Enterprise Service Bus(WebSphere ESB)」と、「WebSphere Message Broker」、SOAに対応したシステム連携を高い信頼性で実現するアプライアンス製品「IBM WebSphere DataPower SOA Appliance (WebSphere DataPower)」の3種類の製品を提供している。

 またESBでシステムを連携することで、インターフェースの一元管理が可能。ビジネス環境の変化に対するシステムの影響範囲を迅速に把握することができるので、システムの維持管理を効率化することもできる。

 さらにESBでは、システム連携において業界標準のセキュリティ技術を利用できるので、LDAPと連携したセキュリティの実現や一元管理が可能。ESBを経由してやり取りされるメッセージに応じて必要なセキュリティ情報のログも取得できるので、別途ログを収集する仕組みを導入することなくコンプライアンス面の強化を実現できる。

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「ESB(日本アイ・ビー・エム)」 のバックナンバー

http://japan.zdnet.com/extra/ibm_200904/story/0,3800096242,20391142,00.htm
(第2回)情報をビジネスの“力”に変える魔法の箱IBM WebSphere DataPower
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