Solaris 10はリリース当初、PostgreSQLがシステムにバンドルされておらず、Solaris 10 6/06(Update 2)からPostgreSQL 8.1.3がバンドルされるようになった。また、最新のSolaris 10 8/07ではPostgreSQLのバージョンアップに伴い、最新のPostgreSQL 8.2がバンドルされている。この経緯に関して、田邉氏は「サンがオープンソースに対して積極的にアプローチしていくという方針の決定後、まずはSolaris 10のオープンソース化を行いました。それと同時に様々なOSSを取り込んでいこうということになりました。もともとMySQL(※1)のバンドルは行っておりましたので、それに加えてPostgreSQLもサポートしていく方針でバンドルを行いました。また、マーケット的な視点で見ると、商用ソフトウェアが大多数を占めるデータベースソフト分野に対して、別の選択肢もありますというメッセージを発信していく意味合いもありました」と語る。
「OSS活用によるコスト低減」ということはよく聞く話であるが、実際にOSSを利用するには敷居が高いと思っているユーザーも少なくないようだ。その敷居を低くするためのひとつの手段がバンドルという手段なのだ。
PostgreSQLの機能について、永安氏は「私はよくPostgreSQLを利用しているユーザー様の声を聞く機会がありますが、業務システムの開発が行いやすい、Oracleなどの商用データベースと比較しても機能は十分であるというご意見を多く頂いています」と話す。実際に使用しているユーザーからは好評価を受けているようだ。こうしたユーザー評価を踏まえると「Solaris 10+PostgreSQL」というフリーで利用できるソフトウェアの組み合わせによる業務システム構築のメリットがあると言えるであろう。実際、SPECjAppServer2004による比較では、Solaris+PostgreSQLでは性能対価格費で商用データベースを上回り、純粋に性能でも肩を並べる能力を持っている。
Sun Fire T2000とHP rx 2660の比較表