Solaris 10は、SPARC専用のOSという位置付けから、X64システムでの動作もサポートするようなった。この結果、SAPアプリケーションも X64 上で、従来のSPARC システムで提供されてきた高信頼で安定的な運用のメリットを享受できるようになった。
現在、サンは1ソケットあたり、8コアを搭載し、各コアが 8 スレッド(合計64スレッド/CPU)の処理が可能な 1U/2U CoolThreads サーバ(Sun SPARC Enterprise T5120/T5220)や AMD/Intel 製 CPU を搭載した X64 サーバなどの、出荷しているすべてのサーバシステムにおいて、Solaris 上での SAP運用を保証している。
また、Solaris 10そのものは無償で入手できるため、特にX64サーバで他のOSを選択するよりも投資効果がはっきりと出やすい。
では、従来この価格帯では得られなかった機動性をSAPシステムにもたらすという、Solaris 10の諸機能を見てみよう。
第一に挙げられるのは、サーバのリソースを有効かつ柔軟に活用できる仕組みが必要であるということ。今日の業務アプリケーションには、個々の規模は小さいが大量に連携させて利用するという特徴がある。一方でプロセッサの処理能力の向上により、個々のアプリケーションの負荷は相対的に低下している。
このため1台のサーバで多数のアプリケーションを稼働させ、サーバを集約することが求められている。そこで利用される技術が、サーバの仮想化だ。これは1台のサーバをあたかも複数のサーバが稼働しているように見せかけ、これまで複数のサーバで稼働していたアプリケーションを1台のサーバ上で動作させるもの。Solaris 10では、CPUやメモリのリソースを仮想化環境に柔軟に割り振ることの可能なSolaris Containerがこの要求に応えている。