ライセンス戦争の終結

GNU General Public License(GNU GPL)のバージョン3がリリースされてライセンスの議論もひとまずはおさまったが、クラウドコンピューティングの時代を迎え、新たなライセンスの枠組みが求められている。

文:Gordon Haff(Special to CNET News.com)
翻訳校正:川村インターナショナル  2008年11月26日 08時00分

 一部の人たちは、ネットワークでのサービス提供の場合にソースコードを変更しても公開しなくてよいというのは抜け穴であるととらえていて、GPL 3から派生したAffero GPL(AGPL)では、「ディストリビューション」の定義をネットワークを介したサービス提供にまで拡張してその抜け穴を明示的にふさいだ。AGPLは、GPLが生まれた当初のUNIXのような環境からネットワークコンピューティングの環境へと移行するなかで、ルールを効果的に再定義するものだ。

 私にとって印象的なのは、AGPLや、AGPLが解決しようとしている仮定の問題のことを、本当に気に掛けている人がほとんどいないという点だ。利益を生み出す目的でオープンソースが用いられると聞いただけで激怒するような狂信的な人たちもいる。そして、移植性やプライバシーなどをクラウドコンピューティングの世界でもっとも適切に保護するにはどうすればよいかという議論が少しだけ行われている。

 Googleのような巨大なクラウドベンダーに、オープンソースプロジェクトに対して有意義な貢献をさせようとする、いわゆる社会的な圧力あるいはコミュニティの圧力も少なからず存在している。しかし、そのようなことまですべてライセンスを通じて強制するのだろうか。私には、とても現実的なこととは思えない。

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http://japan.zdnet.com/extra/green-enterprise/datacenter/story/0,3800089561,20384152,00.htm
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