Googleは「Chrome」ブラウザのLinux版について固く口を閉ざしてきたが、同社のプログラマーによると、Linux上で稼働するChromeのバージョンが、荒削りなものながら出来上がりつつあるという。
GoogleのプログラマーDan Kegel氏は米国時間11月11日、Chromium開発者メーリングリストにおいて「みんな、GmailがLinuxのテストシェルで稼働するようになったぞ!」と述べた。ただしまだ極めて荒削りな状態で、例えば「Enter」キーは機能していない。
「Chromium」とは、Chromeを開発するオープンソースプロジェクトの名前である。それにしても「テストシェル」とは何のことだろうか。
ChromeやGearsの開発に携わっており、この業績に脚光を当てたAaron Boodman氏はLinux版Chromeに関するブログで、テストシェルという言葉を説明している:「テストシェルとは、Chromium開発チームがWebKitとの統合テストに用いる非常にシンプルなブラウザ」のことだという。なおWebKitは、HTMLを解析し、ブラウザ上にウェブページを描画するエンジンのことである。同氏は「これは、Chromiumを新たなプラットフォームに移植する最初のステップである」とも述べている。
言い換えれば、Linux版Chromeはかなり荒削りな状態にあるということだ。
「ウェブページを正しく描画できるようにすることはおろか、本物のブラウザUI(ユーザーインタフェース)の構築1つをとってもまだまだ時間が必要である。しかし、毎日少しずつ形になっていくのを見るのはエキサイティングだ」(Boodman氏)
また、Kegel氏はその後の電子メールで、JavaScriptのベンチマークテストであるSunSpiderを実行することができたと述べているため、ウェブページ上のJavaScriptを実行するエンジンである「V8」も機能していると思われる。
「Linux上で、テストシェルとFirefoxにSunSpiderの公開URLをペーストし、両者を競わせてみた。嬉しいことに、両者とも最後まで実行された」(Kegel氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ