グーグルの「Chrome」、Linux版が荒削りながらも動作

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:編集部

2008-11-13 15:19

 Googleは「Chrome」ブラウザのLinux版について固く口を閉ざしてきたが、同社のプログラマーによると、Linux上で稼働するChromeのバージョンが、荒削りなものながら出来上がりつつあるという。

 GoogleのプログラマーDan Kegel氏は米国時間11月11日、Chromium開発者メーリングリストにおいて「みんな、GmailがLinuxのテストシェルで稼働するようになったぞ!」と述べた。ただしまだ極めて荒削りな状態で、例えば「Enter」キーは機能していない。

 「Chromium」とは、Chromeを開発するオープンソースプロジェクトの名前である。それにしても「テストシェル」とは何のことだろうか。

 ChromeやGearsの開発に携わっており、この業績に脚光を当てたAaron Boodman氏はLinux版Chromeに関するブログで、テストシェルという言葉を説明している:「テストシェルとは、Chromium開発チームがWebKitとの統合テストに用いる非常にシンプルなブラウザ」のことだという。なおWebKitは、HTMLを解析し、ブラウザ上にウェブページを描画するエンジンのことである。同氏は「これは、Chromiumを新たなプラットフォームに移植する最初のステップである」とも述べている。

 言い換えれば、Linux版Chromeはかなり荒削りな状態にあるということだ。

 「ウェブページを正しく描画できるようにすることはおろか、本物のブラウザUI(ユーザーインタフェース)の構築1つをとってもまだまだ時間が必要である。しかし、毎日少しずつ形になっていくのを見るのはエキサイティングだ」(Boodman氏)

 また、Kegel氏はその後の電子メールで、JavaScriptのベンチマークテストであるSunSpiderを実行することができたと述べているため、ウェブページ上のJavaScriptを実行するエンジンである「V8」も機能していると思われる。

 「Linux上で、テストシェルとFirefoxにSunSpiderの公開URLをペーストし、両者を競わせてみた。嬉しいことに、両者とも最後まで実行された」(Kegel氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    調査結果が示す「生成 AI 」活用によるソフトウェア開発の現状、ツール選定のポイントも解説

  2. ビジネスアプリケーション

    生成 AI を活用した革新的な事例 56 選 課題と解決方法を一挙紹介

  3. セキュリティ

    最新調査が示すセキュリティ対策の「盲点」とは?|ゼロトラスト、生成AI、サプライチェーンリスクの実態

  4. ビジネスアプリケーション

    ITR調査結果から導くDX浸透・定着化-“9割の国内企業がDX推進中も成果が出ているのはごく一部”

  5. セキュリティ

    パスワードの限界を解決するパスキー認証、標準搭載する「StartIn」のセキュリティ対応力とは

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]