MIJS企業訪問 ターボデータラボラトリー --日本発の高速データ処理技術で世界と勝負

2000年8月に設立されたターボデータラボラトリーは、オンメモリデータ処理技術による新しいシステム構成法や開発手法を世界に広めることを目的に、さまざまな新技術の開発を推進。

山下竜大(ライトセブン)  2008年8月18日 14時00分

海外オペレーションとSaaSでMIJSを支援

 ターボデータラボラトリーは2008年1月に、MIJSコンソーシアム(MIJS)に参加した。MIJSに参加した理由は、海外オペレーションとSaaSへの参加の大きく2つの理由からだ。

株式会社ターボデータラボラトリー 代表取締役CEO 國正 興一氏

 海外オペレーションについて國正氏は、「日本のソフトウェア市場は、米国のまねをしているだけ。いまだに日本から世界に通用するソフトウェアは開発されていません。我々のテクノロジは、世界で通用すると信じているし、我々のテクノロジで世界と勝負してみたいと考えていました」と話す。

 「世界で成功するためには、そのためのモデルを考えルことが重要です。海外に自力でオフィスを開設することは大変な労力。海外のパートナーを見つけるか、OEM提供することも必要ですが、まずはMIJSで日本企業として団結することが海外オペレーションでは不可欠だと考えました」(國正氏)

 一方、SaaSへの参加について國正氏は、次のように語る。

 「ビジネスにとって、人、金、時間の3つの要素が非常に重要です。特にベンチャーにとっては時間が重要で、大企業の3分の1の時間でやらなければ勝負できません。時間を短縮することでコストも削減できるのです。そのためには、SaaSのような仕組みを利用して時間を短縮することが効果的です」

 ターボデータラボラトリーでは、同社の技術をMIJSで展開中のSaaSにおけるデータ処理技術として組み込むことと、MIJS参加企業のパッケージアプリケーションのデータ処理技術として組み込んでもらうことの2つの取り組みを考えている。

 國正氏は、「我々のテクノロジを知ってもらい、組み込んでもらうことが重要です。MIJSは、もっと成長できる可能性を秘めており、そのための取り組みを加速させる支援ができればと思っています」と話している。

NUMA対応でDWHの可能性を拡大

 今後、ターボデータラボラトリーでは、Tree-MSに対応した製品を2009年3月にリリースする計画。Tree対応のGUI機能を含んだ製品は5月のリリースを予定している。また、Table-MSとTree-MSの機能が統合された製品も開発中。さらに、Furusho Methodに基づいたRDB製品も2009年中のリリースを予定している。

株式会社ターボデータラボラトリー 代表取締役CTO 古庄 晋二氏

 そのほか同社では、NUMA(Non-Uniform Memory Access)の特性を積極的に利用したTable製品、Tree製品も開発中。これらの製品は、産学連携の取り組みとして北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)と共同で開発している。古庄氏は、「JAISTでは、日本SGIとも協力し、NUMAアーキテクチャのスーパーコンピュータであるSGI Altix4700を利用した開発、検証を行っています」と話す。

 「NUMAに対応すると、多量のメモリと多数のプロセッサを効果的に利用出来るようになります。NUMA対応により、科学技術計算用のスーパーコンピュータをDWHに活用する道が開けるのです。これはDWHおよびスーパーコンピュータの双方にとって非常に重要です。DWHにとっては桁違いに巨大な処理が可能になります。スーパーコンピュータにとってはその適用領域が大幅に拡大します。遠くない将来スーパーコンピュータの販売量が数倍になっても驚きません。」(古庄氏)

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http://japan.zdnet.com/extra/mijs_200808/story/0,3800088770,20378739,00.htm
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