企業システムにサーバ仮想化技術を採用する事例が急増している。そのプラットフォームとして先頭を邁進するのが、インテルのサーバプラットフォームと、その上で稼働するヴイエムウェアの「VMware Infrastructure 3」だ。現在の企業における仮想化導入の最新事情、およびグリーンITへの取り組みについて、ヴイエムウェアとインテルに話を聞いた。
普及が加速する仮想化によるサーバ統合
企業システムの本格的なソリューションとして仮想化技術が注目されてから、すでに5年以上が経過した。当初は、試用・検証用に採用されることが多かった仮想化技術だが、プロセッサーが仮想化に対応し始めた2006年以降、多くの企業が本番運用に仮想化を導入。現在は、サーバ仮想化は当たり前と言われるほど、急速に普及しつつある。
そうした普及の拡大を牽引しているのが、ヴイエムウェア株式会社(以下、ヴイエムウェア)とインテル株式会社(以下、インテル)の2社だ。この協業による技術革新が、仮想化テクノロジーの前進を飛躍的に進めてきたことは周知のとおり。最近ではどのようなソリューションに仮想化が利用されているのだろうか。ヴイエムウェアのテクノロジーアライアンス部長、森田徹治氏は、サーバ統合を目的とした導入が最も多いと話す。

ヴイエムウェア株式会社
テクノロジーアライアンス部長
森田 徹治氏
「これまで多くの企業では、必要な業務アプリケーションごとにシステムを構築、運用してきました。その結果、サーバの台数はどんどん増え、電気の使用量やデータセンターの設置場所に課題を抱えるようになり、見直しを図らなければならないところに来ています。そこで注目されてきたのが、仮想化によるソリューションです。業務アプリケーションに比例して増え続けてきたサーバですが、実はほとんどのサーバのCPU利用率は10%程度あるいはそれ以下です。そうしたサーバの使用効率を向上させるために、仮想化によるサーバ統合を進める企業が増えているのです。サーバの集約率は企業によってまちまちですが、たとえば100台のサーバを5対1で20台に統合すると、サーバの台数削減以外にネットワーク、電源、冷却装置、フロアスペースなどのコストを削減できます。この規模のサーバ統合により、3年間で5000万円程度の経費削減を達成している企業も多いです。」(森田氏)
このように、TCO削減に直結する仮想化によるサーバ統合だが、仮想化の利用はしばしばイニシャルコストがかかると思われているケースもあるようだ。だが積極的に仮想化技術を活用する企業には、半年で投資を回収している例もあり、長くても2〜3年で確実に成果が出るという。
具体的な成果の例としては、「VMware VirtualCenter」による一元管理の実現や、メモリの効率的な利用、高い堅牢性の確保などが挙げられる。同時にインテル® Xeon®プロセッサーのマルチコア化に伴う高性能化と低消費電力化によるサーバ実装密度の向上、そして電力コスト等の削減などによって、ITインフラの仮想化やサーバ統合の効果が最大化されているのである。