MIJS企業訪問 JBアドバンスト・テクノロジー--蓄積してきた開発技術やノウハウをMIJSのSaaS基盤で生かしたい

日本のコンピューター関連ビジネスを黎明期から支えてきたJBグループの事業会社のひとつであるJBアドバンスト・テクノロジーは、プリンターやシンクライアントをはじめとした情報関連機器の企画、開発、製造、販売を主要なビジネスとしてきた旧アプティと、大手システムインテグレーターである日本ビジネスコンピューターのソフトウェア事業部および先進技術部門の統合によって2008年4月に誕生した企業だ。

山下竜大(ライトセブン)  2008年11月10日 10時00分

JBATから見た現在のソフトウェア市場

 こうした取り組みを続ける同社は日本のソフトウェア市場をどのように分析しているのか。山田氏は、「外資系ベンダーに押され気味ではありますが、中堅企業を中心として国内ソフトウェアの需要は高いと考えています」と語る。山田氏がこう話すのも、ビジネスの環境が激しく変化する中で、日本独特の商習慣に細かく対応していけるなど、国産ソフトウェアにはまだまだ強みがあるからだ。

 山田氏は、「たとえば外国のレシートは、代金を受け取った人が金銭を受け取ったことを証明する情報が何となく羅列されているだけというイメージがある一方で、日本のレシートは詳細な情報が理路整然と記載されています。これは日本人の気質でもありますが、それに基づく商習慣の違いのひとつだと言えるでしょう」と話す。

 たとえば同社が提供しているプリンティングシステムでは、請求書、発注書、受注書など、決まったフォーマットで出力される帳票や、BIなどの分析結果を表示する非定型帳票において罫線を0.1ミリ単位で設計できるなど、顧客の細かな要求に応えられる仕様になっている。

 このように同社では、データを確認するためのUI、情報をさまざまな形で加工するための入り口としてのUI、顧客の細かな要求に応えられるUIデザインの設計に注力することで顧客のビジネスを支援し、高い信頼を獲得している。

MIJS加入への思いが結実

 MIJSには、2008年1月JBCCのソフトウェア事業部として加入していたのだが、JBCCのソフトウェア事業部が移管される2008年4月のタイミングでJBATが引き継ぐ形となった。ところが、JBCCがMIJSに加入するまでには紆余曲折があったとのことだ。

 JBCCは、プリンティングシステムやERP、CRM、BIシステムを顧客に納入し、コンサルティングから設計、開発、運用・保守までをワンストップサービスで提供しているため、ソリューションプロバイダーとしてのイメージがMIJSの参加ベンダーに強く定着していた。こうしたイメージから、ソフトウェアベンダーが結集し、相互に製品の連携を行うことで海外展開や国内ビジネス基盤の強化を図ろうとするMIJSの理念とは合致しないのではないか、と言われていたのである。

 そうした環境ではあったが、同社はMIJSのカンファレンス参加などを通じて加入の打診を繰り返した。山田氏は、「社長自らが会合に参加することを条件に、MIJSへの参加が認められたという経緯があります。4月にソフトウェア事業部を移管したJBATは、MIJSの理念に合致していると思います」と話している。

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