MIJS企業訪問 インフォテリア--国内ベンダーの国際競争力を高めるソフトウェア連携を推進する

インフォテリアは、日本初のXML専業ソフトウェアベンダー1998年9月に設立された。同社はXML技術を利用してシステム連携を実現するパッケージソフト「ASTERIA」(アステリア)を主力製品とし、さまざまなパッケージソフトの開発および販売、サポート、XMLに関する教育事業を展開している。

山下竜大(ライトセブン)  2009年3月16日 11時00分

ソフトウェアのメリットを生かして世界と勝負

 あらためてソフトウェア産業のメリットとは何かを考えてみると、家電や自動車などのメーカーでは、開発後の製造や輸送に大きなコストがかかる一方、ソフトウェアには開発後の製造コストや配布コストがほとんどかからないという特長がある。平野氏は、「日本のユーザー企業は既存のプロセスを重視する余り、パッケージの採用率が低いのが特徴です。ソフトウェア開発のほとんどが特定企業に向けた受託開発が中心なので、ソフトウェアの根本的なメリットを生かせていません」と日本国内のソフトウェア業界の現実を指摘する。

 一方、海外のユーザー企業は、パッケージソフトをソフトウェアベンダーから購入し、開発から運用までを標準化する傾向が強いのが特徴だ。平野氏は、「ソフトウェアパッケージベンダーが多く集まるMIJSの活動を通じて、国産ソフトウェアの地位を世界と互角に戦えるレベルに高めたい。これがMIJSへの参加を決めた理由のひとつです」と話す。

 平野氏はMIJSを設立当初から知っていたとのことだが、参加を表明したのは2008年2月。以前は、MIJSの活動がクローズであることを問題視していたが、最近のMIJSの海外進出の活動やSaaSへの取り組みなど積極的なオープン化の姿勢が見えてきたことが参加を後押ししたようだ。

 また平野氏はロータス(現IBM)で表計算ソフトやグループウェアの製品企画を経験してきた。その当時を振り返って、「国産ソフトウェアの技術力は高かったものの、外資系のベンダーが日本に進出してきた1980年代後半を境に、日本のベンダーは急速に存在感を薄めてしまいました。それからというもの海外製ソフトばかりが国内企業に活用される状況に不安を感じていたのです」と話す。

 こうした日本のソフトウェア業界状況を打開すべく、国産ソフトウェアの技術力を世界に再評価してもらうきっかけを掴むためには、海外進出する日本ベンダーを増やすことが重要だと平野氏は考えた。

「MIJS企業訪問インタビュー」 のバックナンバー

http://japan.zdnet.com/extra/mijs_200808/story/0,3800088770,20383700,00.htm
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