MIJS企業訪問　インフォテリア--国内ベンダーの国際競争力を高めるソフトウェア連携を推進する

MIJSのSaaSを牽引

　インフォテリアは、MIJSにおいてどのように取り組みを開始しようと考えているのか。平野氏は次のように語る。

　「ネットワークの進化により、ソフトウェアベンダーが海外展開するハードルは下がっています。というのも、ネットワークを介してソフトウェアを提供するSaaSが有効になるからです。そのため、われわれが音頭をとってMIJSの海外展開やSaaSを推進するための普及活動を行っています」

　平野氏がこう語るのも、多くの日本のソフトウェアベンダーが開発コストや利益率の低いことを理由にSaaSへの取り組みを先送りしている状況があるからだという。平野氏は、「プラットフォームがWindowsからネットワークへと移行しつつある現状において、SaaSは無視できません。プラットフォームがDOSからWindowsに代わったときに国産ソフトウェアベンダーの多くは市場から淘汰されてしまいました。プラットフォームの変遷は時代の変遷です。過小評価してはいけません。その意味でもMIJSに限らず、日本ソフトウェア業界には、もっとSaaSを意識しなければなりません」

　インフォテリアのSaaSへの取り組みの加速を担っているのが、2007年10月に子会社として設立されたインフォテリア・オンラインだ。オンライン表計算サービスの「OnSheet」を提供中。らさにオンライン付箋ソフトサービスの「lino」を英語、中国語、韓国語、日本語の4カ国語に対応させ、SaaSで提供している。

　「MIJSが参加企業のSaaSを提供するだけの単なるデパートではいけません。たとえば、シングルサインオンの仕組みや、統一性のとれたユーザビリティの提供など、SaaSビジネスとして価値ある活動を展開していくことが必要です」（平野氏）