Microsoftが、違法コピー対策キャンペーンの一環として、利用中のWindows XP Professionalが偽物であると判断された一部のユーザーに、正規版を無償で提供する実験を始めた。
Microsoftでは、昨年9月に開始したWindows Genuine Advantageプログラムに、その後もさまざまな違法コピー対策を追加してきているが、今回の動きはその最新例となる。このプログラムは、ユーザーの利用するWindowsが正規にライセンスを取得したものかどうかを確認するもので、Windowsの有料利用者数増大を目指す同社のキャンペーンの要となっている。
この取り組みは当初は完全に任意なものだったが、Microsoftはその後、同社からソフトウェアをダウンロードしたいと考えるより多くのユーザーに、この確認手続きを求めるようになっている。たとえば、3月には、Windowsの外国語パックをダウンロードしようとするユーザーに対し、先に手元のWindowsの認証作業を行うよう求めていくことを明らかにした。
同社は米国時間4日から、使用中のWindows XP Professionalが違法コピーと判断された米国在住のユーザーに、無償で正規版を配布する選択肢も提供し始めた。この場合、ユーザーは偽造被害報告書に記入し、利用中のWindowsのディスクや購入を証明する領収書などと一緒に、Microsoftにそれを提出する必要がある。
「われわれの目標は、偽造品であることに全く気付いていない被害者だけに、確実に無償提供を行うことだ」と、Genuine WindowsプログラムのディレクターDavid Lazarは述べている。
ディスクも領収書もない場合でも、正規版をネットから149ドルで購入できる。この価格は、Windows XP Proの完全版より安いが、新しいPCと一緒にWindowsを購入するよりは高い。
The NPD GroupのアナリストRoss Rubinは、「違法コピーの利用者に正規版を無償で提供することは、一見したところ自滅行為に思える」と語る。しかし同氏によると、これはMicrosoftにとって、正規版のソフトウェアのメリットを顧客に示し、将来彼らに正規版を購入させるチャンスになるという。さらに、これが違法コピー販売組織の主犯格を突き止めるのに役立つ可能性もある。
「麻薬取締官が下っ端の売人を足掛かりに元締めを見つけだすのと同じで、MicrosoftはWindowsの違法コピーを扱う流通業者を突き止めようとしている可能性が高い」(Rubin)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ