ソフトウェアの可能性を追求
アクシスソフトがMIJS(メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア)コンソーシアムへの参加を表明したのは、2008年6月のこと。同社は、品質の高い日本のソフトウェアをもってしても欧米のソフトウェアに対抗しきれていない現状を打破するために、MIJSへの参加を決めている。
永井氏は、「欧米のソフトウェアベンダーは昔から世界を席巻し続けているので、後発の日本ベンダーにとってはたしかに参入障壁が高い。しかし、ソフトウェアはアイディアで勝負でき、在庫を置く必要がないことから他業種に比べ世界進出できるチャンスが多いことも事実です。優れた日本ベンダーがノウハウを結集させ、相乗効果を生み出そうとするMIJSの活動を通じてソフトウェアの可能性をとことん追求していきたかった」と話す。
また同社は、MIJSの存在を認知しつつも2年近く参加を見送ってきた。そんな中、ユーザーが主体となって開催している「Bizの明日を考える会」からMIJSに加入すべきとの意向もあり、「Biz/Browserをはじめとした国産ソフトウェアの魅力を世界にアピールするために、同コンソーシアムに参加しました」と、MIJS参加の経緯を永井氏は説明する。
SOAのフロントエンドとして機能するBiz/Browserをイメージ
アクシスソフトは、MIJSにおいてどのように取り組みを開始しようと考えているのか。永井氏は、次のように語る。
「Adobe AIRやMicrosoft Silverlightといった海外製のRIAツールが、動作環境として最新のOSやCPUを搭載したPCを当たり前のように要求するやり方には違和感があります。たとえば、我々のBiz/Browserは、OSやCPU、などの環境差を吸収していますので、アプリケーションがどんな環境においても恒久的に動作することを保証しています。Webシステムの重要なメリットは行き渡っているPC環境を利用出来る点ですから。また、日本の企業は、ユーザーに対してきめ細かな配慮を心がけている点が欧米企業との違いです」
つまり、日本のソフトウェア業界の特長は、ユーザーのニーズを的確に捉え、ソフトウェアの品質を継続的に高めていこうとする「ユーザー志向」である、というのがアクシスソフトの考えだ。永井氏はこの特長を生かし、「MIJSの活動を通じて、世界に向けた日本のソフトウェアの価値を向上させたい」と話している。
また永井氏は、「我々は、MIJSに参加する国産企業の中でリッチクライアントを提供している唯一の企業であり、フロントエンドに特化したBiz/Browserはさまざまなアプリケーションと連携することが可能。MIJSにおいて、同製品をSOAのフロントエンドとしても利用してもらいたい」と加えた。
永井氏がそう語るようにアクシスソフトは、Biz/BrowserをSOAのフロントに据え、各ベンダーが持つアプリケーションを組み合わせることでシナジー効果を高めることを構想している。
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