MSの「Windows Intune」は大きな成功となるか--企業向けPCをクラウドで管理

John Joyner (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2011-05-18 08:00

 従業員が使っているコンピュータに対するアンチウイルス対策とOSアップデートの管理は、企業にとってもっとも優先順位の高い問題だ。もしこういった作業の面倒を見る人が誰もいなければ、障害が起きたり、仕事ができなくなったり、データが盗まれたりといった、多くの問題が生じるだろうということは、誰もが知っている。Microsoftには、「Windows Intune」と呼ばれる中小企業向けの新製品がある。これは、誰もが必要としているPCのアップデートとアンチマルウェア対策の管理に役立つ、クラウドベースのPC管理ソリューションだ。この製品は、特に小規模な会社と、あらゆる規模の地理的に分散している企業に向いているように見える。

Intuneの仕組み(概要)

 Intuneのサブスクリプションを購入すると、登録した企業のものであることが分かるようにカスタマイズされた、その会社専用のIntuneエージェントのインストールファイルを入手できる。これを使って、Intune管理エージェントを会社の各PCにインストールする。エージェントは起動すると、MicrosoftのIntuneクラウドからインターネット経由で設定情報を入手し、アンチウイルス・アンチマルウェア保護のための「Forefront Endpoint Protection」エージェントをインストールする。

 Intuneエージェントは、Windowsとアプリケーションを継続的に最新のものに維持し、アンチマルウェアソフトウェアを自社のポリシーに合わせて設定する。社内でマルウェアへの感染が起こった場合は、リアルタイムに近いタイミングで、警告を電子メールで送ってくれる。もしこの製品が潜在的な需要に応えられれば、Microsoftにとっても、顧客にとっても、Microsoftのパートナー企業にとってさえ、大きな勝利となる可能性がある。図Aに、インターネット経由でログインした際に表示される、ウェブベースのIntune管理画面を示す。

図A 図A

安全な仕事環境構築のビジネスニーズに応える

 会社のコンピュータには、必ずアンチマルウェアソフトウェアがインストールされ、稼働しており、最新の状態になっていなくてはならない。また、「Windows」「Office」「Internet Explorer」、そのほかのアプリケーションの緊急のアップデートやセキュリティ関連のアップデートの状態を把握する必要がある。中小企業のネットワーク管理者にとって、1つの画面からこれらの作業を簡単かつ効果的に行う方法があるというのは、非常にありがたいことだ。

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