有能なのに困った部下のマネジメント術--他の社員と有益な関係を構築させるには

Mary Shacklett (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2014-05-30 07:30

 ITやエンジニアリングといった技術分野の幹部たちは、自分が統括する部門を動かすには、管理スキルやコミュニケーションスキル以上のものが必要だということを理解している。求められるのは、高度な専門ノウハウや、解決策が簡単には見つからない難題を解決する能力だ。こういうときに活躍するのが、高度な専門知識で会社に貢献する社員である。こうした社員が部門や会社を窮地から救うことも少なくない。

 しかし、高度な専門知識を持つ社員は、マネージャーにとって手のかかる存在になることもある。彼らは自分たちの技能の高さを自覚しており、その自尊心は自らの専門知識に裏打ちされているからだ。また、マネージャーのことを、ほかの方法では価値を創造できないので管理職に就いている事務員と見なす傾向も強い。このことがマネージャーや重役にとってプレッシャーとなる。管理職の人間は、最も高額な給与を受け取る専門家たちがほかのメンバーとうまく連携し、作業が滞りなく進むように取り計らわなければならないのだ。

 以下では、専門知識を持つエースプレーヤーと個人的に関わる上で困難となる重要な4つの分野と、マネージャー(筆者自身を含む)が採用して一定の成功を収めてきた戦略を紹介する。

1. コミュニケーションの促進

 専門スキルで身を立てる人々は、語ることではなく、実行することを信条としている。他者を指導する職務に苛立ちを感じることも多い。会議の必要性にも疑問を呈する。しかし、プロジェクトやチームワークにおいて、彼らの意見は極めて重要だ。

 マネージャーは、プロジェクト志向の(つまり政治的でない)コミュニケーションを促進し、政治的な話し合いは自分たちだけですることによって、このコミュニケーションプロセスを容易にすることができる。チームワークの促進を手助けすることもマネージャーの重要な役割だ。

2. 情報の出し惜しみ

 技術で貢献する社員は、何年もの時間を費やして自分の専門分野の知識を獲得した。この知識が、高い給料や、仕事の成果に対する会社の評価の鍵となっている。こうした社員は、自分が独力で学んできた情報や経験を他者に広めることを求められると、用心深くなることがある。そのような知識を、自分の仕事を保証してくれるものと見なしているからだ。

 メンバー全体の知識レベルを高めるのはマネージャーの職務である。重要な技術で貢献する社員にメンバーの教育という仕事に貢献してもらうことは、このプロセスにおいて極めて重要だ。ナレッジトランスファーの促進で大きな成功を収めるマネージャーは、重要な技術を持つ部下の中から、他者を指導することに前向きな者を見つけ出すのがうまく、このプロセスに貢献した者にきちんと報いている。

 専門的なスキルや知識を他のメンバーに身に付けさせるのが容易ではない場合、この分野に精通したコンサルタントを迎え入れることで、問題が解決するかもしれない。専門知識を持つエース社員が全く情報を共有しようとしない深刻なケースでは、リスクを冒して、人員や職務の割り当てを変更した方がいいという場合もある。

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提供:iStock/LittleBee80

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