JR東日本の東京駅でSDN(Software-Defined Networking)を活用した「駅構内共通ネットワーク」が3月にも完成する。ネットワークを構築したNECが2月24日に発表した。
東京駅の駅構内共通ネットワークには、SDNを実現するための手段であり、標準化が進むプロトコル「OpenFlow」に対応したスイッチ「UNIVERGE PFシリーズ」を導入。OpenFlowを活用することで、ネットワーク制御機能をスイッチから分離してコントローラに集約することで、ネットワークを集中制御する。
NECはOpenFlowをベースにネットワーク制御技術「Programmable Flow」を開発。同技術はネットワークを制御するコントローラにあたる「ProgrammableFlowController(PFC)」と通信を伝送する「ProgrammableFlow Switch(PFS)」で構成される。東京駅の駅構内共通ネットワークでは、PFCが2台、PFSが24台が中核となっている。
Programmable Flowでネットワークを仮想化することで1つの物理ネットワーク上に用途に応じた論理ネットワークを構築できる。東京駅でこれまで個々に構成していた、列車運行などの情報を伝送するネットワーク、ホームや改札の状況の映像を伝送するネットワークなどを駅構内共通ネットワークに集約できる。
駅構内共通ネットワークの基幹部分は大容量であるとともに、各システムのデータトラフィック経路を制御できる。システムごとに適した帯域となり、ネットワークの可用性が高まるという。ネットワーク全体を可視化して管理する。これまで新サービスや駅構内の改良工事のたびに実施していたネットワークの構築や複雑な設定変更などを、物理的に手を加えずに展開できるため、ネットワーク変更のスピードも上げられるとしている。