--昨年と比べて、今年は何が変わるのでしょうか、あるいは変わらないのでしょうか。
昨年と変わらないものはいくつかあります。たとえば、企業と話をすると、消費電力と冷却の問題が依然として大きなテーマとなっていることが分かります。当社のBladeCenterは、業界で最も高密度なブレードサーバです。われわれは顧客企業と協力して、BladeCenterを測定器につなぎ、他社製ブレードサーバとの性能比較を行いました。その結果、当社のブレードは待機時、通常使用時、フル稼働時のいずれにおいても20%から30%効率的であることが分かりました。この点は理論上だけでなく、実際に証明されています。
統合と仮想化(に関する取り組み)も進行中です。これは大きなチャンスをもたらすでしょう。企業は常に、より高い投資効果を求めています。物理的な統合、仮想化、自動化、グリッドといったシナリオを説明し、「現在、御社はどこまで実現していますか」と尋ねると、Fortune 10や100に名を連ねる企業でさえ、「まだ全体の3分の1といったところです」と答えます。技術の問題もありますが、大企業の場合はガバナンスの問題もあります。Intelベースのサーバは、社内のさまざまな事業部門で利用されおり、システムのオーナーが誰なのかはあいまいです。会社全体のものなのか、それとも「うちの事業に関するものだから、うちで管理する」のか・・・といった点が課題となります。
さらに運用コストの削減も引き続き求められています。管理用ツールが近年大きな注目を集めているのはこのためです。具体的には、完全自動のデータセンター、店舗の集中管理、ビジネスポリシーと作業負荷に基づくブレードの自動割当などです。
つまり、消費電力と冷却、ROIを改善するために、サーバの稼働率を15%から60%、70%、80%に引き上げること、サーバを少人数で管理できるようにすること--こういった要望は2006年も変わらないでしょう。
では、昨年と何が変わるかというと、さらに多くの64ビットプロセッサと、デュアルコアプロセッサが登場すると思います。消費電力と冷却に対する要望は、プロセッサメーカーの耳にも入っているはずですから、電力効率と冷却効率を最適化したプロセッサが登場すると思います。たとえば、Intelは新プロセッサのSossaman(開発コード名)などについて、さまざまな発言を行っています。プロセッサ性能に対する要求は、かつてないほど高まっています。
--プロセッサの消費電力は大幅に減少するのでしょうか。それとも、10%程度の小幅な減少にとどまるのでしょうか。
かなりの規模の削減が期待できると思います。
--低消費電力という意味では、OpteronはXeonを上回っています。いずれは高性能コンピューティング用サーバだけでなく、一般的なビジネス向けのサーバにもOpteronが搭載されるようになるのでしょうか。
サーバはさまざまなパーツで構成されています。プロセッサが使用する電力は、全体の約3分の1にすぎません。残りはファンやその他のモータ、機械類が使用するものです。つまり、プロセッサはもちろんですが、それ以外のもの--その他の50%、60%、70%のものも最適化する必要があります。当社はパッケージと冷却の観点から、この部分に投資を行ってきました。
Opteronに対する当社の態度は一貫しています。それは特定の用途--大きなメモリ帯域幅を必要とする処理や解析作業には、AMDプロセッサは非常に適しているというものです。当社はeServer 326を発表したとき、この製品はHPC(高性能な科学技術計算分野)を対象としたものだと述べました。需要はあると確信していました。市場を見ていると、HPCの商業利用が急速に進んでいることが分かります。医薬品の開発、リスクの軽減、衝突のシミュレーションなど、解析処理は産業分野でも広く活用されるようになっています。
--一般用途向けのサーバ、たとえばMicrosoft Exchangeやデータベースを走らせているサーバには、Opteronは適していないのですか。
そのような要望を企業から受けたことはありません。
--HPとSunは、Opteronは一般用途向けのサーバに適していると主張しています。
他社にはx3アーキテクチャがありません。x3アーキテクチャがなければ、高い性能を実現するために、別の方法を探さなければなりません。
--BladeCenterのOSにSunのSolarisを採用したのはなぜですか。今後も積極的にSolarisをサポートする予定ですか。
当社の行動の動機となるのは、市場が何を求めているかです。BladeCenterの初期の顧客の多くは、金融サービス企業と通信企業でした。これらの企業は当初「ローエンドのUNIXアプリケーションはLintelに移す」といっていました。ところが後になって、こう持ちかけてきました。「社内にはそのためのスキルもないし、必要なプログラムも、ドキュメンテーションもない。プログラムもそれほど頻繁に使うわけではない。となると、Lintelに移すのはコストに合わない。Solarisでこれができないか」。われわれは市場の声に耳を傾け、Sunとパートナーシップを結ぶことにしました。
--あなたがxSeries事業のリーダーになって5年が過ぎました。新しい分野にチャレンジしたいという気持ちはありませんか。
市場を見渡しても、これほど活気にあふれ、またこれほど動きの速い分野はありません。大きなやりがいを感じていますし、やるべきこともたくさんあります。サプライヤーとの関係、他社とのパートナーシップ、またサプライチェーンの「速度(velocity)」)」の点からも、この市場には独特のおもしろさがあります。大いに刺激を受けています。私自身がこの仕事を楽しみ、会社も私の仕事を認めてくれている間は、この仕事を続けたいと思います。
