--では、オープンな技術を利用したAjaxアプリケーションを開発するに当たって、あえてマイクロソフトのAtlasやASP.NETという環境を利用するメリットは何ですか。
やはり、開発生産性の高さです。マイクロソフトのフレームワークでは、単なるAjaxのライブラリやツールキットを提供するだけでなく、エンドツーエンドでクライアント開発とサーバ開発の両方にプログラミングのベストエクスペリエンスを提供しています。
ASP.NETには極めて豊富なプログラミングモデルが含まれています。AtlasとASP.NETを統合することによって、開発者はVisual Studioを使い、コントロール、アップデートパネル、エクステンダーをドラッグ&ドロップで配置し、JavaScriptを全く書くことなく、アプリケーションをリッチにすることができます。
--Atlasフレームワークで開発するウェブアプリケーションについては、クライアントセントリックなモデルとサーバセントリックなモデルの両方に対応するということでしたが、この2つのモデルへの対応は、Atlas独特のものでしょうか。
基本的に、Ajaxアプリケーションにおいては、プレゼンテーションとビジネスロジックの両方をブラウザ側に置きます。Ajaxを使うことによって、ブラウザ側でより多くの処理ができるようになるわけです。同時に、開発者は多様なウェブサーバ、プログラミングエンジンでの開発にも取り組まねばなりません。処理の量をブラウザ側とサーバ側にどのように割り振るかというのは状況によって異なりますが、Atlasを使うと、クライアントとサーバに対する処理の配分をどのようにしたい開発者でも、高い生産性を得られます。
--コミュニティでのAtlasの開発状況について聞かせてください。現在、どれくらいの開発者が参加しており、実際にどのようなフィードバックがあったのでしょうか。
「www.asp.net」は、世界でも最大級のウェブ開発者コミュニティです。Atlasに関しては、ASP.NETでの開発に関わっている人たちに加え、Ajaxに関わっている人たちも広く取り込もうとしています。
良いフィードバックも多くもらっています。例えば、初期のAtlasのデザインについては、あまりにもクライアントセントリック過ぎるという意見が多かったのですが、そうしたフィードバックを元に、サーバセントリックなモデルへの対応も進めてきました。
--2006年末に正式版をリリースする予定とのことですが、現在の開発状況を教えてください。
最終版のリリースについて、具体的な日付は決めていません。現在、定期的にコミュニティ向けのテクノロジープレビュー版を出しており、年末にはRC(Release Candidate)版を出す予定です。このRC版へのフィードバックをベースにして最終的なリリースをしたいと考えています。また、並行してドキュメンテーションの日本語化も進めています。
ウェブの進化、イノベーションのスピードは大変に速く、大きなものになっています。ウェブ開発者はそのイノベーションを推進していく立場にあるといってもいいでしょう。マイクロソフトでは、AtlasやASP.NETを提供することで、開発者が楽しみながら生産性を上げる手助けしたいと考えています。
