ワシントン発--米司法省は米国時間21日、Hynix Semiconductorが、DRAM価格カルテルに加わり反トラスト法に違反した罪を認めて、罰金1億8500万ドルを支払うことに同意したと発表した。
司法省はDRAM業界における不正な価格操作について調査を進めているが、Hynixはこの関連で司法省との和解に応じた最新例となる。また、Hynixが支払う罰金は、司法省の記録においては3番目に高く、ブッシュ政権下では最も高い金額となる。
Hynixは、1999年7月から2002年6月にかけてDRAM価格の不正操作により、競争の排除を図ろうとしたことで告発されていた。司法省は、Hynixの操作で被害を被った企業として、Dell、Hewlett-Packard、Apple Computer、IBM、Gatewayを挙げている。
「DRAMはコンピュータの価格を決める主要なパーツである」と司法次官補代理のScott Hammondは記者団に語った。「DRAMメーカー側が製品の価格を吊り上げるべく共謀したことで、消費者はより多くの支出を余儀なくされた」(Hammond)
Hynixの広報担当者によると、同社はこの件に関しノーコメントだという。
PCメーカー各社は2001年後半、メモリ価格の急激な上昇を疑問視し始めた。価格の急上昇はメモリ業界では珍しいことで、また大手メモリメーカーはそれまで数年間にわたって収益性の低さに悩まされていた。その間、PCの販売は落ち込んでいたにも関わらず、DRAMとDDR DRAMの価格は上昇し、場合によっては数カ月で3倍にもなった。
司法省は2002年に、この件に関する捜査を開始し。MicronやエルピーダメモリなどのDRAMメーカー各社に召喚状を送付したと、両社はそれぞれの声明のなかで述べている。
司法省のHammond によると、DRAMメーカー各社は、電子メール、電話、直接の会談を通じて、数日ごとに価格を決めていたという。この司法取引の詳細は、法廷審問の数日前に公開されることになる。法廷審問は、サンフランシスコ地裁判事のPhyllis Hamiltonが担当し、早ければ来月に開かれるという。
司法省がこの日公開した文書のなかには、個人に対する容疑は含まれていなかった。しかし、Hammondは「司法取引の対象にならない多くの個人がおり、これらの人間は司法取引による保護は受けられない」と述べた。
2002年8月に当時のDell ComputerのCEO、Michael Dellは「DRAMサプライヤ数社の間で、カルテルに似た動きがあったと思う」と述べていた。「そうした動きはごく短い間だが、実際に成功していたようだ」(Dell)
なお、Samsung SemiconductorとInfineonも、司法省によるこの捜査の対象になっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ