Sun Microsystemsと一部のコンピューティングベンダーが、サーバにネットワークカードなどの各種アダプタを、容易に接続可能にする新手法を実現するために、重大な一歩を踏み出した。
「PCI ExpressModule」と呼ばれるテクノロジは、PCI(Peripheral Components Interconnect)規格をベースにした拡張インターフェース規格である。PCI規格は現在、幅広く普及しているが、コンピュータの筐体の中という、普段は目にしない箇所で利用されている。これまでのPCIカードは電子基板がむき出しになっていて、コンピュータの筐体の中にあるPCIスロットに差し込むようになっていた。PCI ExpressModuleの特徴は、カートリッジを使用して外部スロットから装着する仕組みになっている点だ。
このテクノロジを導入すれば、サーバ管理者の作業は楽になるはずだ。というのは、コンピュータのカバーを開けることも、マシンをラックから取り外すことも、電源を落とすこともなく、カートリッジを追加したり交換することが可能だからだ。ただし、ExpressModuleアダプタはコストがかかるため、ローエンドサーバの管理者には魅力的だとはいえない。
Sunに先見の明があれば、同社はライバル各社に先駆けてこの技術を擁した魅力ある製品を市場に投入し、「リーディングカンパニー」としての評判をある程度取り戻せるかもしれない。逆に失敗すれば、高いだけの役に立たないテクノロジを顧客に売り渡したとして、猛烈な批判を受けることになるかもしれない。
Ideas InternationalのアナリストRich Partridge氏は、「Sunはおそらく、(新技術やアイデアの)エコシステムが自然発生し、Sunが他社に先駆けて自社のユニークな機能を活用できることに大きな期待を寄せている」と述べる。しかし、新しいI/Oの規格を主流テクノロジにすることは常に難しい作業であり、「紆余曲折のある険しい道のり」だという。
Sunはまた、少なくとも現時点では、IBMやHewlett-Packard(HP)という主力ハイエンドサーバメーカー2社の支持を得られていない。
ExpressModuleは「業界ではあまり受け入れられていない」ため、IBMではまだ、同テクノロジを評価している段階だと、同社のx86サーバおよびブレードサーバ製品開発担当バイスプレジデントJeff Benck氏は述べている。
また、HPもx86サーバ「ProLiant」にExpressModuleを採用せず、ハイエンド向けのItaniumプロセッサ搭載サーバ「Integrity」でも当面は計画がない。
HPのビジネスクリティカルサーバグループでサーバプラットフォームの国際マーケティングディレクターを務めるBrian Cox氏は声明の中で、「現時点では、ExpressModuleの信頼性、可用性、有用性、保守性のすべての点でより低価格で製品の選択肢も多いPCI Express規格を上回るメリットを示せていない」と述べた。
Sunは、このような認識は変わっていくものと見ている。SunのシステムシニアディレクターGraham Lovell氏は、「大々的に普及するにはあと1年かかると思う。4大サプライヤー、つまりIBM、HP、Dell、Sunでは主流になると思う」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ