携帯電話向けオペレーティングシステム(OS)のメーカーであるSymbianの幹部たちの話を信じるとすれば、PCは5年以内に世界から消えてなくなりそうだ。
ロンドンで開催された「Symbian Smartphone Show」の基調講演で米国時間10月17日、Symbianの最高経営責任者(CEO)であるNigel Clifford氏は参加者に向かって、スマートフォン時代の幕開けは、「1990年代にインターネットやPCがそうだったように、世の中に多大な影響を及ぼす」と語った。
Clifford氏は、ノートPCには「たぶん、まだ若干」興奮を誘う要素があると述べる一方で、「デスクトップパソコンは、事実上終わりつつある製品だ」と話した。
Clifford氏は、先進国でのスマートフォンの人気の高まりと、高くつく有線インフラよりワイヤレスの接続環境が好まれる途上国での「一足飛びの経済成長」現象が、「万人のポケットにスマートフォンが入っている」状況を作り出すだろうと示唆した。
そう考える根拠としてClifford氏は、インドでの技術採用率を例に挙げた。インドでは、PC市場が年間500万台のペースで成長しているが、携帯電話市場は月間500万台のペースで拡大しているという。
Symbianの商品提案部門を率いるJohn Forsyth氏は、基調講演後に、「あと5年たてば、一体なぜPCが必要なのかと考える日がくる」と主張した。
Forsyth氏はZDNet UKのインタビューに応じ、本来ならノートPCの市場に「携帯電話が食い込み始めている」と述べた。
Forsyth氏は、「ノートPCから解放されると思うと、とてもホッとする」とも言い、その主な理由として、ノートPCのバッテリーの持ちの悪さを挙げた。
PCは、数年のうちに携帯電話に新しい機能が搭載され尽くしてしまうという最近の警告を無視し、進歩を止めてしまった、とForsyth氏は言う。
今後、新しいハードウェア技術から新しいサービスへの移行はいくらかあると認めながらも、Forsyth氏は、携帯電話技術の進化を示す指標として、「入力技術とディスプレイ技術の両方が豊富になってきたこと」を指摘した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ