サンフランシスコ発--すでに激しい競合関係にあるIntelとAdvanced Micro Devices(AMD)は米国時間2月28日、同じ時間に説明会を開催した。両社とも自社サーバプロセッサを紹介し、次の主戦場となるだろう同プロセッサ市場の関心を自社に引きつけたい意向だ。
AMDは、2007年中に出荷を予定している同社初のクアッドコアOpteronプロセッサ「Barcelona」(開発コード名)に力を注いでいる。一方でIntelは、すでに出荷を開始しているクアッドコアXeonプロセッサ「Clovertown」(開発コード名)に焦点を置いている。AMDは、2004年に発表したOpteronでIntelをリードしたが、Intelは最新チップでこれに対抗している。
IntelのDigital Enterprise Group担当共同ジェネラルマネージャーであるTom Kilroy氏によると、同社は今後、Clovertownで消費電力を抑えたモデルと動作周波数を強化したモデルの2種を新たに投入する計画だという。同社は来週にも、消費電力を現行の最大80Wから最大50Wに抑えたモデルをリリースする予定。そして、消費電力よりも最大性能を望むというユーザー向けに、現行の2.66GHzより高速な3GHzモデルを2007年中にリリースすることを予定している。
「3GHzは当初、ロードマップにはなかった」とKilroy氏は言う。だが、Intelは顧客の声を受けて提供することにした。
AMDとIntelは、単一プロセッサあるいはプロセッサパッケージに、コアといわれる処理エンジンをできるだけ多く詰め込もうと競い合っている。このアプローチは、複数の作業を同時に処理する場合に適している。だが、それぞれの作業をできるだけ高速に処理したいと望む顧客もいる。また、コアを追加すればチップの消費電力が増えるため、クロックスピードを落として(消費電力を抑えることで)、ある程度バランスをとることも必要とされる。
Kilroy氏は、3GHzモデルのリリース予定時期については言及しなかったが、IntelのServer Platforms Groupでマーケティング担当ゼネラルマネージャーを務めるBoyd Davis氏は、同社が2007年末に45ナノメートルプロセスを用いて製造する次世代版Xeonを発表するより前にリリースする予定であると述べた。現行のXeonは、65ナノメートルの回路エレメントを用いたプロセスで製造されている。ナノメートルは10億分の1メートルに相当する。
一方でAMDは、65ナノメートルプロセスに移行しており、Barcelonaも65ナノメートルプロセスで製造される。同社はこのBarcelonaで、「Opteron」でつけた勢いを取り戻したいと考えている。まさに1年前のIntelと同様に、AMDは顧客、アナリスト、報道関係者に対し、まだ出荷していない製品を宣伝し、現時点で存在する製品へと彼らの目が向かないようにしている。