Intelは、NVIDIA、ATIと直接競合し、未知の技術領域、市場区分に入るかもしれないチップの詳細を公開した。
「Larrabee」は単体のチップだ。これはつまり、Intelが現在プロセッサと一緒に半導体チップの一部として提供している、ローエンドだが幅広く使われている統合グラフィックスチップとは大きく異なることを意味する。また、LarrabeeはIntel x86汎用アーキテクチャをベースにしている。
Intelによれば、最初のLarrabee製品は「PC市場をターゲットにする」という。つまり、LarrabeeはPCゲーム市場で、NVIDIA、AMD傘下のATIと直接競合することになる。NVIDIAとATIは現在、「独立した」スタンドアロンのグラフィックスプロセッサ市場を支配している。
Larrabeeは、中央演算処理装置(CPU)とグラフィックスプロセッサの最も優れた特性を融合したものだとIntelは考えている。IntelのビジュアルコンピューティンググループのシニアプリンシパルエンジニアであるLarry Seiler氏は、先週サンフランシスコで行われたLarrabeeの説明会で、「われわれに必要なのは、CPUの完全なプログラム可能性と、グラフィックスプロセッサの並列処理などの独自の機能を組み合わせたアーキテクチャだ。そして、そのアーキテクチャがLarrabeeだ」と述べた。
Jon Peddie ResearchのJon Peddie氏は米国時間8月1日に投稿したブログ記事で、「Larrabeeは、多くが誤って説明しているようなGPUではないが、ほとんどのグラフィックス機能を実行できる」と述べた。
Intelの広報担当者であるNick Knupffer氏は、「見た目も動作もGPUのようだが、実際には、多数のx86コアがPCに搭載される」と述べている。
Intelは発表の中で、Larrabeeは「業界初のメニイコアx86 Intelアーキテクチャだ」と説明している。Intelは現在、クアッドコアプロセッサを提供しており、今後、Nehalemアーキテクチャをベースにした8コアプロセッサを提供することになっているが、Larrabeeには数十基のコアが搭載され、将来的には数百基のコアの搭載も可能になると見られている。
Larrabeeチップのコア数は市場によって異なるが、Intelが示したスライドでは、8〜48基だった。
Larrabeeの各コアは「Intel Pentium」プロセッサがベースで、「64ビット命令、マルチスレッディングを追加した」とSeiler氏は述べている。各コアには256KバイトのL2キャッシュが搭載され、キャッシュのサイズはコアの総数で拡大可能だとSeiler氏は言う。