Appleとの関係を深めたNVIDIAは、次に「Netbook」を狙っている。
NVIDIAは米国時間12月17日、「Ion」という開発コードネームの「GeForce 9400M」を使ったNetbookおよび小型デスクトップPC向けプラットフォームを発表した。すでにNVIDIAは、優れたグラフィックス性能を武器にして、Appleの「MacBook」で、Intelのシリコンから、同社製GPUの採用への切り替えを実現しているが、再び別の分野で、この変革を起こそうと考えている。
今回のNVIDIAの狙いは、「Atom」プロセッサをサポートするIntelのシリコンに取って代わることにある。現在のところ、Acer、ASUSTeK Computer、Hewlett-Packard(HP)、Dellなどの企業が製造するNetbookには、Atomおよび対応するIntelのシリコンから成るチップセットが採用されている。
NVIDIAは、グラフィックス性能曲線の分野では、常にIntelよりも前に立ってきた。グラフィックスチップ市場を調査するJon Peddie Research(JPR)のJon Peddie氏は、「NVIDIAには、確かに優れたグラフィックスがあり、これこそがIntelに二重の不安をあおるものとなっている」と述べた。
「最初に、NVIDIAはIntelと競合しており、次に、(NVIDIAの製品により)Netbookメーカーは、薄型で軽量というNetbookのセグメントにありながら、より大画面のNetbookの製造へと着手可能となって、結果として、Intelのより大きなモバイルCPUのシェアを奪う可能性があるからだ」と、Peddie氏は語っている。
要するに、NVIDIAは、PCが持つようなパフォーマンスを十分に引き出すことのできるNetbookの実現を狙っているのだ。NVIDIAの製品ラインマネージャーであるDavid Ragones氏は「Atomがベースとなるプラットフォームにて、われわれが実現したいものは、真のビジュアルコンピューティングである。たとえば、Blu-ray Discの動画再生で実現する高画質(HD)ビデオは、現時点では、CPUではなくGPUを活用して可能となっており、GPUによって、非常にスムーズなエクスペリエンスを楽しめるようになっている」と、先週行われたインタビューで語った。
ちなみにNVIDIAは当初、Via Technologiesの製品を活用し、Netbook市場へと参入する計画を4月に発表していたものの、後にその計画を断念するに至っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ