グラフィックプロセッサを手がける、最小級規模の企業と最大級規模の企業(だと、筆者は思う)が米国時間8月2日、レイトレーシングによるコンピュータグラフィックに最適化された新しい標準API(アプリケーションプログラミングインターフェース)を開発中であることをそれぞれ発表した。
新興企業のCaustic Graphicsが発表した「CausticGL」は、市場で最も支持されている3D APIである「OpenGL」のすぐれた部分を活用できるように設計されたAPIだ。CausticGLはCaustic Graphicsのアクセラレータチップとアクセラレータボードに最適化されており、同社によれば、従来のCPUと比べておよそ20倍ものレイトレーシングパフォーマンスを提供できるという。
一方、NVIDIAが発表したのは「OptiX」(「オプティクス」と発音)というAPIだが、この名前は2008年のAgeia買収によって同社が獲得した物理API「PhysX」に対応して付けられている。Ageiaは、ソフトウェアAPIとコンパニオンアクセラレータチップの両方の開発を手がけていた(現時点でOptiXの製品ページは公開されていないため、公開されればこの記事を更新する予定だ)。
これらの発表が行われたのは、ニューオリンズで1日から3日に開催されたHigh Performance Graphics 2009で、私が司会を務めたHot3Dセッションに参加した、Caustic Graphicsの創設者であり最高経営責任者(CEO)を務めるJames McCombe氏と、NVIDIAの科学研究員であるAustin Robison氏が、それぞれのプレゼンテーションで発表した。なお、当地では現在、SIGGRAPH 2009が大々的に開催されている。
Hot3Dで3人目にプレゼンテーションを行ったのは、Intelで上級主席エンジニアを務めるLarry Seiler氏だった。Seiler氏は、同社の次期グラフィックプロセッサ「Larrabee」用に3Dレンダリングソフトウェアを最適化する取り組みについて、新しい情報を詳しく説明した。
これらの発表については今後より詳細に分析したいと考えているが、この記事では業界にとって重要なこれらのニュースを取り急ぎお伝えした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ